マスクが最も効果を発揮するのは咳やくしゃみのある人がマスクをつけた場合です。
情報源: マスクの効果と正しい使用方法|感染制御室|診療科のご案内|自治医科大学附属さいたま医療センター
くしゃみ・咳をしながらもマスクをしない人が多く、 感染したくないと思う側ばかりがマスクをしてきた、というのがこれまでの常。
それがコロナ騒動で誰もがマスクをするようになった。
誰もが「感染したくない」~そう思うに至った結果、これまでマスクに縁遠かった人までをも含め皆マスクをしている、そういう状況になった・・・
結果、無自覚感染者のマスク装着が期待され、マスクが一定の意味を持つことになった・・・
一方、マスクの需給は、年初からの紆余曲折を経て、ここのところ改善が見られる、そう感じていた。
一月ほど前からネット上での販売がちらほらと見受けられるようになり、場所によっては街角売りもあるようだ。
それが、ここに来て、アベノマスク不良品混入問題、シャープ・マスク通販サイトのトラブル、とたてつづけに話題となり、注目がまた高まってしまったようにも思える。
今の高齢者世代が若かりし頃、マスクといえばアベノマスクのようなガーゼマスク。その後サージカルマスクが登場し、主役交代。
アベノマスクが小さいというクレームは、(鼻から顎まで覆い隠せるようプリーツのついた)現在のサージカルマスクにすっかり慣れてしまった私達には より「小さく」感じてしまうということなのでしょう。
昔からのガーゼマスクは皆あのようなサイズでプリーツのない形状、それに今時?のサージカルマスクと同じ機能を求めても・・・
アベノマスクで感染防げるのか、という声も聞きますが、布マスクの感染防止効果自体五十歩百歩のはず・・・
それは、↑この粒子の大きさと、マスク材料の編み目を比較すれば明らか。
ここに来て市民権を得た布マスクは、手作り感、色合い、ファッション性、色々楽しめていいなぁ・・・とすごく思います。
ただ、保湿・保温以上の機能について多くを期待しすぎるのも・・・
感染した人がつけて下されば、くしゃみ、咳き込み、の際、飛沫が飛び散る距離が抑えられるかもしれないという期待感と安心感・・・それが最も大きな「効果」なのかもしれません。
そして、「それなりの」サージカルマスクでも装着時の隙間からウイルスは容易に侵入するため、マスクをしている=これで安全とはならないのでしょう。
Stay Home、もしくは少なくともソーシャル・ディスタンシング2m、そして手洗い、の持つ効果の方が大きい気もします。
アベノマスクがいらないという人は、それでかまわない、それでも欲しいという自治体、機関、人達に是非寄付して欲しい(不良品を除く)。
それでも、マスクが足らない・・・
ここに至っても そういう声が上がっています
確かに薬局の陳列棚にマスクが置かれているのを目にする可能性はゼロに近い。
店舗によって限定数の入荷があるらしいが即座に売り切れる(らしい)。なかには詰め寄る顧客の対応に従業員が疲弊、販売中止した店舗もあるらしい。
徐々に供給事情が改善しても、待っている人が余りに多くそれを実感できるような状態に未だなっていない、ということか?
特に医療、介護、養護・保育現場でのマスク不足は相当深刻。N95規格の医療用マスクは勿論、市販のサージカルマスクさえ入手が難しいという。
各施設で必要とする枚数自体が多く、ロット単位でドカンと供給されないと綱渡り状態は解消されない。
一方、一般の人なら何百枚も一度に必要とするわけではない。当座の需要がまかなわれ、コンスタントな供給状態にまでこぎつければ事態は鎮静化するはずだ。
実際、ここのところマスクの供給は以前ほどタイトな状況ではない。
都心なら新宿の奥の方にある外国人向けショップに箱詰めマスクが普通に売られていると聞いたのは1ヶ月以上も前のこと。どの様なマスクなのかはわからぬが、すでに買い求めた方もいるのだろうし、最近TVなどが取り上げ、それを見た人々が買いに走ったと想像される。
アベノマスクが不良品混入でミソをつけ、シャープ製マスクがアクセスに耐えられずシステムダウン。立て続けに起きたこれらの事態が注目を集め、マスクを確保しようとする人々の焦りに油を注ぐことになってしまった気がする。
今薬局にマスクが並んだところで、我先に買い求めようとする人が殺到するであろうことは目に見えているので、気軽にまったりとマスクが買える状態に戻るのはまだまだ先になってしまうのかもしれない?
確かに、ネット通販で「様々な」マスクがすでに販売されている。それらのほとんど全ては中国製。
中国製がダメとは全く思わない。こうなる以前から、日本におけるマスクの主要供給者は中国だった。
コロナ騒動で滞っていた中国からのマスクが、ここのところ日本にかなりの枚数入ってきているのは事実だ。
以前と違うのは、
- 中国の製造・取扱元に新規参入が増えたこと
- 日本の輸入業者に新規参入が増えたこと
だ。
こうなると、残念ながら供給元も輸入業者もピンキリだ。
取り扱われる場所もネットだけではない。既存の販売店以外にも
駅ナカで、思わぬ店先で、見つけた!というツイートが度々流れてくる
日本勢も、アイリスオーヤマ、そして前述のシャープも一般向けネット販売を始めてはいる。
が、あくまで限定数量でどれほど個人向け販売に力を入れているのかは疑問だ。
両社ともに アクセス殺到は容易に想像できたはずと思うが、本格的なシステム対応など未だしていないところを見ると、やはり片手間なんだな、と思ってしまう。
当面大口向けの販売が中心なのだと思うし、それでいいのだと思う。まずは医療、介護、養護・養育保育現場の需要を満たすことが先決だ。
じゃあ、一般人はどこで買うんだ、ということになりますが、それは既に明らかで、
- ネット
- 街角
この2択。問題なのは、どれがピンで、どれがキリなのか蓋を開けてみなければわからない、という現状。
慌ててポチッとしたら、マスクでなく、マスクの「絵」が送られてきたという信じがたい話しも聞くが、よく耳にするクレームは;
- 左右の紐(耳にかけるゴム)の長さが違う
- 紐(耳にかけるゴム)がすぐにとれてしまう
- ノーズワイヤー取り付け不良
- 妙に薄い
- 予約注文でなかなか現物が発送されてこない
- (値段が)高い
というもの。
マスクに限らず、「よくわからぬサイト」での購入には注意が必要だ。
どこをどう見分けるのか不安なら、近づかない、ことが肝心だ。
口コミも、冷静にそれらを「見分ける」ことも必要になる。(Amazonなら、季節問わずサクラが満開だ・・・)
値段については主観的な部分が大きいのかもしれない。
「在庫速報」など見ると30円/枚ぐらいから100円/枚越えまで様々、ネット上で販売されているマスクが一覧できる(なお、全てのマスクがこのサイトに拾われているわけではない)が、厄介なのは安かろう悪かろうなのか、値段が高ければ(ピンキリの)ピンなのか・・・というとそうではない、ところだ。
昨年の値段と比べて高いのはおかしい、と思うなら、そういうマスクが登場するまで待てばいいし、「この程度なら」と受け入れられる値段も人様々。そこに輪をかけて、値段とピンキリの相関関係に多くの???マークがつく現状下。
箱買い(1箱限定)のシャープマスクは、送料無視しても1枚あたり60円超え・・・でも数百万人がアクセスしているのを見ると、相場はあってなきようなもの?
その様な中、あえて今、付け加えさせていただきたいこと、
それは;
◼️全国マスク工業会(JHPIA)
マスクの表示、広告、安全、衛生に関わる自主基準を定め、数十社の内外マスク関連企業が会員となっています。
あくまでも因みに・・・ですが、アベノマスクで報じられた伊藤忠、興和、横井正、マツオカ、ユースビオの名がそこにあるのかないのか、興味のある方はチェックしてみて下さい。
とは言え、「三次元マスク」で有名な「興和」も回収に走ったという今回の騒動は、JHPIAの存在そのものの足元が揺らぎかねない?・・・ユースビオがどうしたこうしたの話題よりそちらの方が気になります。
四方山話はともかく、JHPIAという団体があり、そこには自主基準というものがある、あるようです、という点が一つ。
◼️マスクの規格
日本には医療用マスクの性能規格基準が存在しません。
が、例えば米国では、米国試験材料協会が定める医療用マスクの素材条件が存在します。
医療用マスクの素材条件(ASTM F2100-11)
医療用はともかく、普通のサージカルマスクなら、ASTM F2100-11レベル1に準拠、というのが「一般的」という点。(欧州向けならEN14683タイプ1?)
日本では、一般財団法人カケンテストセンターがマスク関連の試験を行っていますが、現在は試験依頼殺到で受け入れ中止中。以下Q&A参考までに転載;
Q 医療用マスクや一般用マスクを販売したいのですが、何か規制はありますか。
A 国内で医療用・一般向けマスクを販売する際の法律・規制はありません。メルトブローン不織布などの高性能フィルタを使用した不織布マスクについては、海外規格ASTM F 2100や日本衛生材料工業連合会自主基準を参照して品質を管理されている場合が多いです。
Q ガーゼタイプの布製マスクですが、バクテリアやウイルスのバリア性能を評価できますか。
A BFE/VFE試験はガーゼマスクなどの布製マスクを想定していません。メルトブローン不織布等のフィルタ層を有していない布製マスクで、これらバリア性の試験をしても著しく低い結果となる可能性が高いことから推奨しておりません。Q マスクを販売するに当たりどのような表示をしたら良いでしょうか。
A 一般社団法人日本衛生材料工業連合会 全国マスク工業会の「 マスクの表示・広告自主基準 」を参考にしてください。
あえて繰り返しますが、N95規格などの高性能マスクは医療従事者用のもので、私達が日常に使用するようなものではありません。
マスクの性能にこだわりすぎるよりも、ステイホーム、ソーシャル・ディスタンシング、手洗い、が私達には一丁目一番地であり、最も効果的なのだと思います。
最後に、最近報じられた、NY知事のクオモ氏がマスク無しで群れる人々に対しての発言を拾っておきます。
私の健康を冒す権利など あなたにはない。
あなたのためのマスクではない。
マスクは私の、そして私の子ども達の、そしてあなたの子ども達の健康に関わるのだ。
だからこそ、あなたはマスクをしなければいけないのだ。
あなたの命ではない、あなた以外の命の為なんだ。
みんなもう外に出たいのはよくわかるよ。
でもね、マスクとソーシャル・ディスタンシングは社会的責任だ。
マスクをしないということは他人を危険にさらす危険な行為だ。