動き、と言っても、再燃?している「鼻マスク」のことではありません。
先日朝5時過ぎのニュースで・・・
「鼻マスク」(→)もありました、が、そちらではなく・・・
こちら(←)の、「マスク素材別の実験結果」を紹介しているのを見て、思うところあって ペンを取りました。
大都市圏+αに2度目となる緊急事態宣言が発出されています。
昨年はマスクがなくなり、消毒液がなくなり、集団心理に駆られ 小麦粉からトイレットペーパーに至るまで人々が買い漁り、物資が店頭からなくなった・・・。
でも今回、状況は違うようです。
マスク、消毒液の類いは店頭に溢れよりどりみどり。どれにするか迷う程。
選択肢が多くなった分、何を選ぶかは、自分次第。
自由に好きなものが買える、って素晴らしい・・・。
そんな中でも、こだわりを持つ人はいる訳で、一つ一つ消毒液の裏書きを確かめたりもする。
だって、何がどの程度入っているのか明記されていない消毒液少なからず・・・ほんとうに消毒液として役に立つのか・・・もしかして「なんちゃって消毒液」?という不安。
マスクも然り。
町中にマスクが溢れ、値引き合戦の様相も一部で報じられていたその最中でも、シャープ製のマスクには買いが殺到、サイトに繋がらなくなり、それがまた話題となりました。
市場価格(というものがあるのならば、ですが・・・)よりだいぶ高価・・・でもいまだに人気は衰えない。
先日、一般販売を開始したパナソニック製マスクも、販売サイトにアクセス殺到、あのシャープの時と似た事態となりました。
国産志向衰えるところを知らずということ?
そもそも日本にはマスクに対する「性能規格基準」がありません。
カケンテストセンター、全国マスク工業界の存在、そして、とりあえず米国規格に沿っている・・・けれども、○○もX Xも規制ない中で間隙を縫うように流通してしまったというのが昨年のあの時。
マスク逼迫は繊細一遇のビジネスチャンスとにわか仕込みで作られたマスクを掴まされ苦い思いをした人も多い。
紐が取れる、紐の長さが左右で違う、ノーズワイヤーが抜ける、”妙に”薄い、”混入物”がある・・・今なら笑い話のようなことがそこかしこで起きていた。
マスクの需給が飽和状態にある今、そういった”おかしな”マスクの話はあまり聞かなくなった。市場価格が下がり業者が淘汰されたのかもしれません。
そういえば、国産家電神話なるものが形骸化していく久しい。
日本ブランドであっても組み立ては海外、部品も海外メーカー品、いや実のところ、生産のみならず設計も全て海外メーカーに外注というのも珍しくない。
家電だけでなく私たちの身の回りにある物で、純国産品を探す方がはるかに難しい。
電化製品からかき揚げの玉葱に至るまで海の向こうで作られたものばかり。
マスクだって、ずっと昔から、日本で売られていた商品のほとんどがMade in Chinaだった。
外箱にあるブランドは聞き慣れた日本の会社でも、中身は中国製。そう、別に中国製だから即悪いというわけじゃぁない。
使用されているメルトブローン(不織布)が果たしてどこ製なのか(不織布にもピンキリがあったりする・・・)はともかく、
アイリスオーヤマ(国内生産と海外生産品があります)、そしてシャープ、パナソニック、或いは、エリエール、ネピア等々のマスクに対しては、
単に「日本ブランドだから」といった根拠薄めの国産志向、
のみならず、
「流石に国産ならパチもんはないだろう」という思いが根底にあるのかもしれません。
あれだけエビデンス、エビデンスと毎日連発している今時に、シャープだ、パナソニックだ、となると借りてきた猫のように皆おとなしい。
他人事のように書いていますが、私自身も備蓄しているマスクとは別に、シャープ製のマスクも・・・いや、そればかりか、物は試しとパナソニック製も購入してしまった・・・。
同じ50枚の正味重量を測ると僅かにパナ製の方が軽い。薄い、厚いで即品質が決まるわけではないのでしょうが、
パナ製の方が若干軽量という違いはある模様。
勿論どちらも基準を満たしている風に外箱に表示があります。
豊富に、過剰に物があると人はより細かく吟味を始めるのかもしれません。
もうちょっと大きい方が、いや、小さい方が、口に張り付かない方が、口紅が、呼吸が、見栄えが・・・、
と少しでも合うものが、良いものがあるのでは、と。
そしてそのことが行き過ぎたのか、一人歩きしているのか・・・
私は不織布マスクですが、それよりも大切だと思っていることがあります。
それは冒頭のNHKの放送画面下の方にある「人との距離」。NHKは1m、私は2mかな・・・
そう、一時期流行語になったソーシャル・ディスタンスです。
今では、エスカレーターに乗るとき距離をとっている人をあまり見ませんが・・・
ウレタンかどうかより、「相応の」ディスタンスがあるか、ないかの方が、私には気になります。閉鎖空間なら尚更・・・。
取り上げたかったのは、鼻マスクのことでも、なんとか警察のことではなく、
この↓ニュースです。
情報元はこちら(ドイツ政府)
「医療用マスク」という文言ばかりが日本のメディアから流れてくるので、変な方向に流れがいったら困るな、と。
ドイツ政府のサイトにあるメルケル首相の弁にも「medical masks, i.e. operating masks or KN95 or FFP2 masks(医療用マスク、つまり、OPマスクかKN95マスクかFFP2マスク)」とあります。
KN95は中国規格、FFP2は欧州規格で共に米国のN95規格のマスクと”類似”のもの(何故ここで中国規格が敢えて登場したのか、ドイツでのマスク事情がわからないので何とも言えませんが)。
そしてOPマスクは所謂手術用マスクでサージカルマスクの事ととらえてよいのだと思います。
医療用マスクと聞いて
アッあれだ、と・・・
こんなマスクを条件反射的に思い浮かべる人がたくさんいらっしゃるかと思います。
トップブランドの3M(スリーエム)の説明書をそのまま転記しますと、
N95マスクは、サージカルマスクとしての液体防護性があり、血液・体液の曝露予防にも有用です。医療施設では、無菌野を保つ必要のある場面や、医療従事者が手術中・病棟でのケアの最中など血液・体液に曝露するリスクがあるため、液体防護性を備えています。
このマスクは、米国NIOSHのN95クラスに適合し、米疾病対策センター(CDC)の「医療施設における結核感染防止のガイドライン」に適合したもので、
0.3㎛以上の空気中微粒子を95%以上カットし、防水加工され汚染血液・体液飛沫にも効果があるもの、とされています。
(勿論、特別な現場に従事する医療関係者でもない限り、「血液・体液の曝露」リスクに神経質になる必要は全くありません。)
どんなに素晴らしいN95マスクでも顔にフィットしていなければ・・・隙間からウイルス含んだ空気がどんどん出入りしていては、意味をなしません。
より密着した装着が求められるN95マスクは、一般人が「気軽に」長時間装着することのかなわぬ代物、と私は思っています。
一方で、私達が日常使っているあらゆるマスクでも、きちんと装着するという点では・・・それなりの注意を払っておく必要はあるのでしょう。
(「せっかく」装着したマスクの効果が薄い、というのが鼻マスク、で、一番そのリスクを背負うことになるのは本人、ということになります。)
0.3㎛以上の空気中微粒子を95%、でエッと反応した方もおられるかもしれません。あくまでも基準はそうなっている、ということです。
が、例えば、これ→はエリエール製サージカルマスクのパッケージにある裏書きですが,
PFE(微粒子捕集効率試験)99%カット
を唱うマスクが今はほとんどです。
やはり皆さん、ウイルス0.1㎛が念頭にあるので、供給者側もそこに注力しているということなのかもしれません。
先に、”不織布にもピンキリがあったりする”と書きましたが、使用しているメルトブローン不織布のグレードにも関係するところです。
大切なのは、「99%カット」はそのマスク生地自体の性能であり、そのマスクを装着したからといって呼吸時に微粒子99%カットが保証されているわけではありません。
装着時、隙間からの微粒子の出入りは防ぎようがないからです。
だからこそ・・・
きちんと装着する、
人との距離を「相応に」とる、
ことが、マスク生地の性能が99%か90%か、どんなマスクか、などということよりも、もっと大切だと私は思うのです。
ところで、サージカルマスクは使い捨てが基本、そして洗濯・再利用では効果が薄れてしまいます。不織布マスクの構造上、静電気によるろ過効果が失われてしまうからです。
最近、素材を変えることで、再利用可能を唱う商品がちらほらと出てきています。全て網羅することはできませんし、それを唱う製品全てが果たしてどうなのかもわかりませんが・・・
クラウドファンディングに登場した「分子マスク」が人気を呼び目標金額の13倍の出資を集めています。
個人的には、素材が99%か99.9%かに興味はありませんが、再利用できる、というのに魅力を感じる人は多いと思います。ただ、この分子マスクですが、「鼻マスク」タイプも選択肢にそろえているところが、如何なものかと・・・とは思います。
そして、再利用、呼吸のしやすさ、ということでなら、「ナノファイバー マスク」で検索すれば似たような「新たな素材を使った」マスクが既に販売されていることがわかります。
先の「分子マスク」は東工大の名誉教授が開発した素材ということですが、例えばこちら↓は信州大との共同開発素材を使用して、99%カット、エタノール除菌で再利用可、となっています。
米国FDA、欧州FEP2認証獲得、米国NIOSHの認証はまだ受けておらずN95類似という説明・・・。ポイントは3D構造で呼吸がしやすいだけでなく、(サイズが合えばですが)密着性が一般デザインの平形タイプのものよりも良さそう・・・という点。
この3D形状は米国3MのN95マスクにもあるデザインですが、KF94適合(KFは韓国の基準。韓国KF94と米国N95とは若干の違いがある模様。)と称し、似たような3D構造のマスクが韓国で多く紹介されており、韓国芸能人が使っていると日本でも話題となっているようです。
(上↑の「AirQueen」マスクも韓国製)
韓国製でKF94、3D形状のマスク、にはメルトブローン不織布2枚重ねで99.9%を唱うものもあります↓。
さあ、どうしますか?
90%? 99.9%? 日本製? 不織布? 新素材? コスパ? 使い捨て?
再利用? 見た目? 呼吸? 3D?・・・・
僕は、ディスタンスだと思っています。