そういうこともあるので、痛い時には無理して歩かず安静にしていればいいよ。去年も同じ時期に痛いと寝込みがちになって、いつのまにか痛みが消えていたし・・・
そんな事あったかね!?
あぁ、そういうこともあるので・・・一番怖いのは無理して頑張ってかえって体を壊して寝たきりになることだね。
また痛みの消える時も来るのだろうから、そのとき積極的に動くようにしたらいい。
ただ母さんは、動く・運動、それすなわち歩く事と思ってるみたいだけど、座っていても運動はできるからね、ほら、こんなふうに・・・
出処: 看護ネット|転倒予防体操
といつもの「あれ」をベッド脇にある椅子に座り母に見せる。
なるほど、そうだねぇ。
(でも実行はしないんだろうな・・・これまで同様・・・)
そんなわけで、痛い足を引きずって夜トイレに行くのは危ない。で、ここにポータブルトイレが置いてある・・・。
でも昼も夜も自分でトイレに行っているよ。だから使うことはないねぇ。
(記憶にないのか・・・強がっているのか・・・)
そうなの。まあいいや、肝心な事は痛い時に無理しないこと、それと骨折しないことだ。
この歩行補助器を使わずにふらふらっと動いてすってんころりん、また骨折しました、となるのはもう勘弁してよ。
大丈夫だよ、バカでも元気。
そういう時の母さんが一番危ないんだよな。
変な自信を持って油断して・・・というパターンだ。
またお世話になったT病院とかS病院に救急搬送されて、「あらぁ!真坂さん、また来たのぉ?毎度!」なんて言われることになるぞ。
あははは、大丈夫だよ。
手術して痛い痛いと大声あげる母さんの所行は病院で有名だからね、「またあの真坂さんがやって来た」と院内で噂になるぞ
あははは、やだねぇ。大丈夫。
まぁ、今日はこれで帰るけど、この前約束した歯磨き粉を持ってきたよ。
マジックでマ・サ・カ、と名前も書いておいたよ。ここに置くから使ってよ。
どうもありがとう、助かります。
他に用意して欲しいものがはあるかな?
あっ、ここに書いておいたんだよ。
とメモした切れ端を母が指さす。
(おぉ、メモするんだ・・・)
メモ書きには二つのことが書いてあった。
xxさんは母の兄弟、それも年のずいぶん離れた一番上の兄。
そして、ずいぶん前に亡くなっているはず。
一つ目は現実の世界における生の欲求、でも二つ目は夢の世界でのお話、意味不明な内容だ。いや、二つ目も母にとっては意味があるのだろう、がそれを私が紐解くことは難しい。
それと、ゴミ箱がないんだよ。赤いのがあったのに、誰かがもっていったんだよ。仕方がないから、自分で作ったよ、ほら・・・ゴミなんて沢山はないからね、これなら小さくて丁度いいでしょう?
母の指さしたそこには、折り込みチラシを折って作った華奢な小箱があった。
(施設備え付けのゴミ箱があるはずだけど・・・。掃除しようと介護士さんがもっていったのかな?)
なかなかしゃれたゴミ箱だね。うまいもんだ。
忘れないようにメモ書きの方はもらっておくよ。保湿クリームは今度持って来るからね。
骨折しないでよ。頼むよ。
もう帰るのかい?泊まっていけばいいのに。
ここには泊まれないね。すぐにまた来るよ。
そうかい? 今日はありがとうございました。来てくれてほっとしたよ。
帰宅後、施設長宛にメール連絡を入れた。
1)先週約束した「歯磨き粉」を持参、「マサカ」と書き入れ歯ブラシそばに置きました。母の事ですからバッグなどにしまい込んでしまうかもしれません・・・。
2)お尻(肛門周り)の痛みは、「もう無い」と言っていました。処置頂いた効果なのかもしれません。
「切れ痔だったけど薬をつければすぐに治るんだよ。心配ない。」と言っていました。便秘では無いが、かなりいきまないと・・・とももらしていましたので、介護士さんに薬を塗ってもらったのかもしれません。
3)お薬の効果なのか太もも裏の痛みについて訴えはありませんでした。が、片足が足先までしびれている、と言っていました。
昨年自宅で独り住まいをしていたときも、晩秋から冬にかけて、腰が痛い、と寝込んでいました。整形外科で脊柱管狭窄症からくる痛みで特効薬は無いと診断されたようですが、年明け頃には「いつの間にか痛みが消えた」と言うようになりました。
季節の変わり目、そして丁度冷え込む時期、ということもあり、そのような環境に身体が反応したのかもしれません。が、 今回も一時的な痛みなのか、慢性的なものとなってしまうのかはわかりません。
「 片足が足先までしびれているような感覚がある 」という訴えで一点思い出したことがあります。
今年早々に2度目の骨折をし、髄内釘で脛骨をつなぐ手術をし1週間程した頃、「 足先までしびれているような感覚がある 」と同じような事を訴えていました。
季節の変わり目と、下腿部骨折、狭窄症、圧迫骨折・・・そこに何らかの関連があるのか、はわかりません。
4)移室の件
トイレまでの動線が直線的な部屋をあてがって頂き有り難うございます。
見舞い時はベッドでぼーっとしており、(そういう状態の母は、次から次へと後ろ向きな事を思い浮かべてしまう性分です)もう寝ているのか?と冷やかすと、「こんなところで寝られるわけない」と、まだ新しい「自室」に慣れていないようでした。
「これから寒くなる。こちらの方が日当たりがよくて暖かそう」と伝え、なるほどとその場では同意していました。
周りの人と話す機会が増えてゆけば、気もまぎれ、部屋に慣れるのも早いのではと思います。
「ゴミ箱が無いから自分で作った、誰かがもっていった。」と自ら小さな箱を作ったようです。
5)「保湿クリームが無い」と言うので、次回持参すると約束しました。