それ 認知症かも

認知力の衰えを頑なに否定する年老いた母。それを反面教師に自らのこれからを考える息子。

母転院で妹が・・・①

K病院転院を済ませ帰宅。一息ついたところで妹に経過報告。

 

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K病院ですが、長期入院は不可能な病院ということでしょうか?
第一希望だったR病院の待ち行列の人々はどうしているのでしょう?
どこかに居座ってR病院が空くのを待っているのなら同様にするのもありなのでしょうか?(私の知り合いは病院に居座って四年目です。当初は併設の老健で残人生を、ということでした )


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S病院で頭髪の乱れを隠すのに売店でワッチ帽を~ですが・・・あの大判ノートと共に 毛糸の柔らかい帽子も二個渡しています。いっぱい持ってるとか言われたけど、その持っていた物がが古すぎてダサかったので。きっとあれもどこかにしまわれてしまったんでしょうね。 ユニクロのヒートテックインナーも渡したけど・・・。

 

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専門家でない私がその質問に十分に正しく答える自信はありませんが、自らの認識を元にお応えすれば:

■お知り合いの入った病院 、は療養病床

療養病床には医療保険適用の医療療養病床と、介護保険適用の介護療養病床の2種類が存在。その病院は前者。

いずれの病床も、2017年度末以降の新設は認可されず。既存の療養病床も3~6年の経過措置期間後、新たな施設/形態での運営に変わることになる。(又聞きですが)

■R病院は回復期リハビリ病棟、K病院は地域包括ケア病棟に指定されており、療養病床ではありません。

且つ、いずれの場合も入院期間の上限に対する原則は存在します。よって、R病院なら入院期間の制限がないのではという期待は、事実と異なります。

■『「いや、知り合いはその医療療養病床に属する病院に 出て行ってくれと言われながらも結局4年もいる」だから、R病院でもK病院でも4年いられるはずだ。』

とするのは少々飛躍しすぎかと思います。なぜならお知り合いの入った病院=R病院=K病院ではないからです。

その病院でできたことこれすなわち他の病院でもできる。あるいは、その病院でできない事は他の病院でもできない、とはならない・・・「だろう」、と考える方が自然だと思います。
経営母体も、経営方針も(実際にトップの方にお伺いしたわけではありませんが)それぞれ異なっている「はず」と「考えておく」方が現実的ではないでしょうか。

■R病院には空き待ちが~人いる

急性期病棟たるS病院等に搬送された骨折患者の次の移動先は、自宅、もしくはリハビリを目的とした医療機関となります。

先ほど、回復期リハビリ病棟、地域包括ケア病棟の入院期間制限の話が出ましたが、これらの病棟には術後~日以内に入院するという制限もありますが、それよりもリハビリを必要とする高齢者が何もせずに過ごせば将来の回復に赤信号が確実に灯る(=寝たきりになる)ことになり、待機し続ける人はいないと思います(個人的推測)。

諦めて他に回る、とりあえず自宅介護で訪問リハビリを受ける、等も選択肢としてはあると思いますが、別の病院を結局選ぶことになるのではと思います(個人的推測)。

急性期、回復期、等属する形態を問わず、定められた日数をすぎれば、国から降りる医療報酬がガクンと下がるのでしょうから、それらの病棟で居座る患者が増える=病院の収入が落ちることになりますので、どこまで居直り患者を許すかはまさに病院の経営に関わる事項故、経営陣の考え方が色濃く影響することになると思います。

画像出処: みんなの介護

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私からみれば、お知り合いの方は(勿論人知れずつらい努力をされたに違いありませんが)、今の病院に出会えて幸運だったと言えるのではないでしょうか。

(余談ですが、増え続ける高齢者、増え続ける要介護者、受け入れ施設の不足、介護人員の不足、という問題に関し、既に国は見切りをつけた、というのが私の考えです

今現在、母のように当事者となっている人達は未だマシな方で、我々が高齢になる頃にはより鮮明になると思いますが・・・国が打ち出しているのは、介護は自宅で、というスタンスです。

急性期病棟に比べ余りに少ない回復期病棟 (特に郷里の自治体区域は全国でもその差が大きい、と前回お伝えしました)、そして療養施設。

歳をとったら終のすみかは早めに決めてねといわんばかりに、マンションに毛の生えたようなサ高住=サービス付き高齢者住宅が国の補助金大盤振る舞いで首都圏に乱立していますが、本来そこを選択するべき比較的健康で自立可能な人達ではなく、実際は要介護度3,4,5といった行き場のない重篤な要介護高齢者が流れている、というのが今起きている問題です。

サ高住側も重篤な寝たきり要介護者の方が徘徊することもなく補助金も大きい、なまじ自立歩行して大騒ぎするような認知症発症した高齢者よりよほど効率がいい、と割り切る業者も多く、一方で、人気の特別養護老人ホームは空き待ち1年以上当たり前で行き場のなくなった重篤な高齢者が、それでも仕方が無いとサ高住に流れているのです。)

 

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R病院には空き待ちが~人いる、という話ですが、私の性格上ということもありますが、「本当にそうかな」と内心思っています。

希望転院先についてS病院担当者と面談した際、「S病院は回復期リハビリ病棟なので朝~晩一日の生活全てがリハビリを念頭においたものになります。そのため、リハビリに費やす時間も長く、リハビリに積極的でないor対応できない患者は断られる可能性があります。お母様はこちらに来られてからリハビリ拒否がありますね」と指摘されています。

空き待ちが多い、というのは体のいい断り文句ではないかと、そう疑っています。

K病院でも面接してからの受け入れ判断としていたのは、「病院の手に余るような状態の患者なら、体よくお断りしたい」という思いがあったのだろうと考えています(個人的推察)。

今回当事者となりあらためて感じましたが、高齢者を取り巻く医療介護事情は、買い手(=受け入れ病院・施設側)市場です。買い手に より大きな選択権があるのです。

あらゆる病院、施設を枠にはめ、それぞれに成果(=リハビリ成果)目標を定め、それに応じて医療・介護報酬を増やす、減らす、というのが国の施策です。

加速度的に増加する高齢者、合わせて増加する認知症患者を見越して、急性期→回復期→療養施設もしくは自宅 という流れをもっとスムーズにさせよう、その流れを妨げる居座りを減らすよう、居座り数に応じて報酬を減らそう。自宅介護をもっと増やそう、地域の訪問介護を増やそう、サ高住を増やして高齢者に自立を促そう・・・等々。

ここまで散々長々と書いてからこう言うのも申し訳ないが、これらは全て原則です。

国が現在打ち出している制度も「それで今の問題が解決するわけ無いだろ」と言うのが現場の声だと聞いています。つまり、一方では原則通りにいかない、いっていないという現実があるのです。(そのあたりの意味も込めて、原則という文字を方々にちりばめた文章になっております)

 

- 母転院で妹が・・・②につづく -

 

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以前NHKが取り上げた「老人漂流社会」・・・当時話題となったと記憶しています。今回、妹にはこの動画について取り上げることはしませんでした(ちょっと、ショックが大きいかな、と思って)

いや、こんなの特別でしょう?うちのケースは違うよね。そう受け取る方もかなり多いと想像します。

f:id:masakahontoni:20190320150749j:plainこの番組は2013年時点のもの。あれから5年以上が経過、どれだけの介護施設が、それも「真の需要に足る」施設が増設されたのでしょうか。そして、それに足るだけの介護従事者が増えたのでしょうか?

一方で、高齢者の数は確実に増え続け、うちなにがしかの方々は認知症を発症(認知症と一口に言っても様々な段階があります。十分自立可能な方もいらっしゃることも忘れてはなりません)し、85歳以上の高齢者の半数以上がそのような状態であるとも言われている現状です。

いや、蓄えはあるから?確かに必要でしょう、蓄えは。でも、需要をまかなえるだけの供給は無いのです。いや、無いのかもしれないのです、私たちが年老いたときには。

あらゆるところで大きくなり続けるギャップ、それが埋まることはあるのでしょうか。それを考えに入れた上で、いや、こんなの特別でしょう?と言い切れますか?

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