それ 認知症かも

認知力の衰えを頑なに否定する年老いた母。それを反面教師に自らのこれからを考える息子。

ヒッププロテクター

母は「寒がり」である。

入院する度に病室で必ず訴えるのは「寒い」、だ。

今回も術後すぐ、何度もそう訴え、看護師さんが湯たんぽを用意してくれたが、それでも「寒い」と横たわる身体をもじもじと動かしていた。

私が母を見舞いう際、大抵の場合母は車椅子に座って何もせずぼーっとしているが、必ず抑制帯を装着していた。

それがN病院の「方針」なのであろうし、確かに看護師が気づかぬ間に不用意に車椅子から離れ不測の事態を招くリスクはなくなるとは思う。

f:id:masakahontoni:20191228165634j:plainそのようなものを目の辺りにしたのはN病院が初めてで、初めはそれがただのエプロンかよだれかけの類いのように私には見えた。

面会中に母がトイレに行きたいと言い出し、看護師さんを呼んだ際、それを外すのを見て初めてそれが「エプロン」ではなく「抑制帯」と認識した。

母も表だってそれを嫌がる素振りを私の前でしたこともなく、また、見たところ身動きを妨げるような抑制力もなさそうで、あくまでも車椅子から「離れる」ことを抑制するのが目的のようには思えた・・・。

f:id:masakahontoni:20191228171546j:plainベッドに目をやると、横たわった際に丁度ウェスト部分辺りになると思われるところに、それ(抑制帯)とわかるものがあるので、少なくとも夜間は間違いなくそれを装着しているのだろう。

メーカーのサイトなどには、「転落防止帯(腹部固定);患者さんの安全を守りながら、ベッドの中での動きを最大限確保します。」と紹介されている。

上半身から足首に到るまで、抑制というよりは「完全拘束」と呼んだ方が適当なものも世の中にはあるようだが、N病院ではウェスト部分だけ、のようだ。

身体拘束とは | 健康長寿ネット

 

f:id:masakahontoni:20191228172439j:plainそのような制限のある中で、何か適当な「腹巻き」のようなものはないか探したところ、これならというものが見つかった。

マジックテープでとめる腹巻きだ。

 

 

このことを施設長宛に伝える際、ずっと気になっていたことを尋ねてみた。

 

f:id:masakahontoni:20180823154054p:plain入院後、面会の度ごとに「寒い、寒い」「背中がスースーする」と言うので、患部に圧が加わらず、且つ着脱が楽にできるよう、マジックテープでとめるような腹巻きを持参するつもりです。

 

f:id:masakahontoni:20180823154054p:plain少々気の早い話かもしれませんが、今後回復状態がどうなるのかによる部分があるにせよ、転倒リスクが更に高まる事になるのは避けられない気がします。
一度片方の大腿骨を骨折すると、もう片方も骨折してしまう確率が高くなるとも言われているようです。

f:id:masakahontoni:20191228181918j:plain大腿骨周りをクッションでカバーして転倒時のショックを和らげ骨折に至るリスクを軽減する 「ヒッププロテクター」なる 介護用品の存在を知りました。

腹巻き状のものをマジックテープでとめ着脱が楽にできるタイプもあるようです 。正規売価が高くためらってしまいますが、処分販売されることもあるようです。

ご意見をお伺いしたいのですが、このような商品についてどう思われますか? いずれ必要になるのなら、準備しておくべきなのか?と迷っております。


折り返し、施設の療法士の方から返答が来た。

 

f:id:masakahontoni:20190816155558j:plainヒッププロテクター着用で、大腿骨近位の骨折リスクの軽減は見込めると思います。

f:id:masakahontoni:20191228183653j:plainただ、転倒が起こってしまった際には腕、手首、膝、下腿など大腿骨以外の骨折リスクもあるということに留意しなければなりません。

お母様が湿布などをすぐに外してしまう様子が見られたことから、ご自身でプロテクターを外して移動されることも予測されます。
施設側としてなるべく着用を促すようには致しますが、以上を踏まえて検討なさった方がよろしいかと考えます。

また、今回の骨折による予後、今後の歩行について、N病院の方でお聞きいただき、主治医とヒッププロテクターの必要性についてご相談いただいてからご検討されるとより確実と思われます。

なお、施設長より、x曜日夕方に病院を訪れた際、お母様が「外は真っ暗だから帰りに気をつけてね」と笑顔で見送ってくださった、とお伝えくださいとのことです。

お母様が穏やかになってこられた様子に皆ほっとしているところです。

早期のご回復をお祈りしています。

 

f:id:masakahontoni:20180823154054p:plainヒッププロテクターについてのアドバイス大変参考になりました。

1度目、2度目、そして今回の3度目と、骨折箇所が徐々に「より重篤な部分」に移ってきているようにも思えてしまい、また、大腿骨骨折が起因となって・・・という悪い話をよく聞くことでもあります。

そこだけは骨折して欲しくないと祈っていた場所を今回骨折してしまい、当人の「気力」がどこまで持ち直してくれるのか今現在 不安の種はつきませんが、

引き続いて反対側の大腿骨だけは守りたい、という思いからヒッププロテクターに目が行きました。

ご指摘の如く、当人がそれを装着してくれるかには相当の疑問があり、逆にそれだけに、次の骨折(大腿骨もしくは腰椎)もあるのではないか?という危惧が膨らんでしまいます。

安価なものであれば、「たとえ使ってくれなくとも仕方ないか、保管しておけば誰かの役に立つときがくるかもしれない」と根拠の無い言い訳をみつけて心をおさめることもできるのでしょうが、すんなり購入を思い切るには少々ハードルが高い、という事情もあります。

まさにご指摘下さった通り、今少し経過を見て、さらに主治医の見通し・ご意見も伺った上で再考する、というのが「より確実」と気づきました。

いざその時購入できるチャンスがまだあるかは不透明ですが、闇雲に先走ることは思い留まり「より確実」な方を選択することに致します。

こまめに足を運んでいただいている施設長にもよろしくお伝えください。
ありがとうございました。

 

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