最終的には本人の生命力でしょうか
そう漏らした私の言葉に
生命力・・・、
そうですね、そういうことになりますね。
高齢者が被る様々な骨折の中で、大腿骨骨折はよりリスクの大きい骨折だ。
✔ 骨格の筋肉量の減少は50代から加速、80歳までに20歳時点の3~4割まで減少する
✔ 大腿骨骨折によりベッドで安静にしていると、わずか1週間で加齢による4~10年分の筋力低下が起きてしまう
✔ 治療1年後に「不自由なく歩ける」状態にある患者は26%にすぎず、47%が歩行に介助を必要としている
✔ 2030年代以降、人口比率の高い団塊の世代が90代に達するため、大腿骨やその周囲を骨折する高齢患者の中心が80代から90代に移行するという推計もある。この推計が現実になった場合、骨折患者の手術やリハビリがより難しくなることが明らか
✔ 術後には,精神障害,肺炎,循環器疾患などの合併症はかなり高い頻度で発生
✔ 術後早期(入院中)の死亡例の原因としては肺炎が最も多い
✔ 歩行能力の回復には受傷前の歩行能力と年齢が大きく影響する
✔ すべての患者さんが元通りの歩行能力を獲得できるかといえば,残念ながら答えは「いいえ」
✔ 大腿骨頚部骨折や大腿骨転子部骨折では,受傷前に屋外活動を一人で行うことが可能であった患者さんでも,半年から1年後に元通りに近い歩行能力を獲得できるのは,全体の50%程度
✔ 反対側の骨折を生じるリスクが高い
説明を終え、それでは手術当日に同意書を持参するように、と促された。
その場でサインを求めなかったのは、持ち帰って再度読め、ということなのだろう。
2度目の骨折でS病院→その後K病院に転院→系列の老人ホーム入所、という流れの中、「移動」の度に母に関わるデーター/カルテ等々が引き継がれてきた。
果たして今回、老人ホーム→N病院間で同様の引き継ぎが行われるものなのか不安になり、調剤薬局の処方箋、特に認知症にかかわる服用薬についての資料を持参し、医師に見せた。
ちらっとそれに目を落とすも、注目すべき内容ではないとすぐにわかったのか、再び目を向けることもなく、面談最後に「こちらは・・・」とすんなり返却されてしまった。
医師も手元の書類を片付けようと手持ちのファイルに挟み込みはじめる。
その時、ファイルの表紙裏のポケットに差し込まれた”お薬手帳”が目に飛び込んできた・・・そこに記された母の名前と共に。
そして医師が片付ける書類の中にK病院の名が入ったものが複数枚あるのも目にとまった。
既に医師の手元に「そのようなもの」がある事を知り、少々驚いた。
(施設長が、持ち込んだのか・・・)
(あの施設にして良かったのかな・・・)
(今回の救急搬送で施設長の立ち会い・同乗があった、というのも”収穫”なのかもしれない・・・搬送時施設側の付き添いの有無は、施設選択の一つのポイントだと指摘する書籍もあった・・・)
A病院を後にし、早々に施設長宛にメールを入れた。
A病院での面会、担当医との面談終えました。
明日午前中に手術開始、昼ごろ終了予定です。
私からここに至るまでの経緯、本人の状態・病状について説明し、服用薬も先生にお知らせしておいた方が、と準備もしましたが、すでにお薬手帳はじめ伝達済みであること、その場で知りました。
そこまで行って下さった事に遅ればせながら御礼申し上げます。
高齢故のリスクもあり、医師としてそれを回避すべく処置を行なうのは当然ながら、当人の「生命力」自体に委ねられる部分があること否めず、特に術後1〜2週間が大切とのことでした。
看護師さんからは、看護計画+諸事項他、30日程度を目処に事にあたっていきたいこと説明受けました。
術後のリハビリもN病院で開始されますが、いずれはどちらかへ、施設へ戻るのか、あるいは、K病院等回復期病院へ、ということになるのか、をご相談する時期が来るかもしれません。
N病院のリハビリで順調に回復し施設に、というのが私の希望ではありますが。
母は鎮痛剤の効果か痛みを訴えることもなく「そんなことあったのかねぇ」「それより、いつも小脇に抱えているバッグがないけどどうしたんだろう?」等とうわごとのようにもらし、軽度のせん妄状態であるようにも見受けました。
母の手術が一段落しましたらまた色々とご相談させていただきたいと思います。