その昔、母骨折→入院時、
高額療養費の説明はあったと朧げながらも覚えがある。
それもボーッとしている間に左耳へ抜けてしまった。
20数万円精算機に吸い取られるのは、実は回避できたのかもしれない。
3ヶ月ほどして保険組合から申請書が送られ、それを返送。
「限度額を超えた分」の金額が母の口座に還付された。(注1)
もし、「限度額認定証」があれば、年金暮らしの母が当時負担すべき上限は5万円ほど。
それで済んでいたのだろう。
もし、母同様の治療を3割負担の私が受けていたら、病院窓口での請求は60万・・・
退院おめでとうございます、お会計は60万です、となったら・・・
精算機がどうした等と惚けてばかりもいられない。
そんな場面が浮かぶ。
所得があるケースor世代なら、負担限度額も応じて変わる。
見込まれる治療費から、負担限度額を算出してくれるサイト↓もある。
仮に3割負担の私が母同様に骨折→手術、で見込まれる窓口支払い60万として・・・
限度額認定を予め受けていたら自己負担上限額はどうなるか?
住民税非課税世帯なら、負担上限35400円
年収370万円以下なら、57600円
年収370〜770万円なら、97430円
年収770〜1160万円なら、181820円
年収1160万円以上なら、264180円
つまり、この場合、前年の所得問わず、制度の利用が可能。
窓口での支払い負担がかなり軽減される。
「窓口で60万円一旦支払う!」を選んでも、
数ヶ月後保険組合から送られる申請書を返送すれば、相応の給付額が振り込まれる。(注1)
年齢、見込まれる窓口負担、前年の収入区分、で適用度合いが異なるが、
自らor家族のケースに当てはめてみては如何。
負担限度額認定を受ける、受けないの算段を入院前につけておいた方が、
後々手間が省けるのかもしれない。
今時の大病院はクレジット、デビットカード可が多い。
が、その一方で、
支払いは現金のみとか、
母の何度目かの骨折でお世話になった中堅病院のように
「週毎〆現金支払い」がめぐってきたり、と差がある。
高齢の親が入院となれば、せん妄状態が続いたり、認知症が進んだり、
さて退院後は?転院先・療養先はどうするといった悩み事が次から次へと日替わりで起きてくる。
金銭的なことに煩わされるのは最小限に抑えたいところだ。
入院なんて、突然、突発的に起こることの方が多いのかもしれない。
余裕綽々で自らキャリーをコロコロ引いて、気になるのは空模様・・・
なんてケースは稀で、突然の事故、発症で身一つで入院というのもありえる。
そんな時、限度額認定証が予め手元にあったら・・・あるに越したことはない。
少なくとも、入院であれこれ行わなければならない事項が一つ減る。
あと二人か・・・・もうすぐ10時・・・・まぁいい頃合だな・・・・
5分後、10時を少々まわったところで私の番号が呼ばれた。
受付に歩み寄る途中、あの発券機が目に入る。
順番待ち20人・・・倍になっている
うまい具合になんとか潜り込めたか・・・
一体、午前中だけで何人が入院し、退院してゆくのだろう。
席に着き、書類提出。
おはようございます。真坂様ですね。
お持ち頂いた書類一式、こちらでお預かりします。
お部屋の方は個室をお取りできました。
・・・この後そちらの会計窓口で所定の金額をお預け頂きます。
病棟はx階になりますので、
向こう通路を真っ直ぐ進み、中程、
売店横のエレベーターでx階に進みます。
降りますと病棟が分かれますので、x側病棟に通じるドア横のブザーを鳴らしてください。
看護師がお部屋までご案内します。
ささっと手続き終了。
側の会計窓口に預託金を納め、病室を目指す・・・
途切れなく行き交う人に当たらぬようゆっくりと。
エレベーターを降りた先にあるというドアは開いていた。
丁度、入退院の入れ替え多い時間帯、
ベッドの移動などもあったのだろう。
セキュリティは厳しくはない・・・
この病院でも時節柄、入院患者と家族の面会は禁止されたまま。
ただ、規模が大きければ大きいなりに守りきれない穴もある。
フロアマップによれば、ナースセンターがこの先にある。
勝手に廊下を進み、奥のナースセンターまで行き声をかける。
着衣のまま身長・体重測定を促される。BMI算出の為らしい。
あいにく部屋は清掃中。先客がこの朝退院したばかりらしい。
エレベーター前の休息室でしばらく待つよう促される。
そこで10分ほどボーッと過ごす。
結局、今日は朝からボーッとするばかりか・・・
ここで昼食、夕食、当然ながらの検査食を流し込み、
就寝前に下剤を飲み寝る、
今日のスケジュールはそれしかない。
明日は昼過ぎから手術、その為の下準備が朝から始まる。
とりあえず、売店で水でも買っておくぐらいか・・・
看護師さんが迎えに来た。
案内された室は、当たり前だが、いかにも病室然としていた。
繁華街にあるビジネスホテルの梅クラスといった風。
狭いトイレとバス、配膳台、僅かな隙間に小型冷蔵庫と私物を格納する申し訳程度の物置、が完備されている。
主役は病院御用達のパラマウントベッド。
差額ベッド代からすれば、ちょっとしたシティホテルの竹クラスになるが、
ここは余暇満喫目的で泊まるホテルとは違う。
こんなものでしょう。
一番狭いタイプを選んだのだから。
個室に応接セットがあったところで、
「誰を 応 接 」するのか・・・
でも、部屋はどうやら南向きだ。
ベッドサイドの大きな窓から存分に光が差し込み眩しい。
十分じゃないか・・・
明るい部屋の方が兎にも角にも「健康的」、
気分的にもめいらずに済む。
注1:保険組合、申請内容によっては、自主申請が必要な場合あり
注2:実際は、自己負担上限額にレンタル品代、食費等々制度適用外の費用が加わる