それ 認知症かも

認知力の衰えを頑なに否定する年老いた母。それを反面教師に自らのこれからを考える息子。

ぼーっとする日(入院当日)①

5分間予想は5分毎に変わる、落ち着いて考えればそういうこと。

f:id:masakahontoni:20211123162823j:plain刻々と変わるその予報に戸惑い、ウェザーニュースを離れYahoo!ウェザーで雨雲の動きを確かめる・・・

ホテルの部屋に陣取ったまま、似たような行ったり来たり、それを繰り返す。


結局、最後は自分の「感」か・・・


崩れるぞ、雨だ風だぞと数日前から煽られている。

悪い予報はよく当たる、のが天気予報。

そんなアノマリー通り、朝から雨のこの日。


小降りのうちにささっと移動したい。

身一つならまだしも、右手にキャリーバッグ、左手に傘、背にバックパック。

土砂降りなんて御免被りたい、たとえ十数分の距離でも。


入院手続きをするよう指定されたのは朝10時。

時間たっぷり、まだ8時。

ぎれぎれに入り即受付が理想だが、そうは問屋が卸してくれない。

天気という壁が立ちはだかる。

9時台は「ザーザー」降りだね、とウェザーニュースが告げている。


ええいままよ、小ぶりな今 出てしまえ、先手必勝だ。

刻限より1時間半も余裕あるが、「ポツポツ」の頃合いでホテルをチェックアウトした。

 

 

f:id:masakahontoni:20211123165421j:plain雨の中、黙々と駅に向かう人の波とは逆、

コロコロとキャリーを引き病院へ。


この時間、不釣り合いにこじんまりとしたあの病院入口はまだすいている。

受付前の長椅子に腰を下ろし、

キャリーカバーについた雨をはらう。

そんなタイミングで、初診受付の窓口が開き始めた。


5〜6列並んだ長椅子に座る人はまばら。

突き当たりにある初診受付と別、フロア向こうの右角にあるのが入院手続きの窓口。


余裕綽々、さあ時間つぶし・・・


未だ雨粒のついたレインカバーを外し、取り出したKindle。


やがて周りを行き交う人が増えあたりがざわついてくる。

そんな9時半も近くなったかという頃合い。

向こうの角に目をやると、入院受付窓口で席に座った二組が事務員とやりとり。

手続きが始まっているようだ。


xx番の方、いらっしゃいますか?


・・・


xx番の○○さん、いらっしゃいますか?初診受付窓口の方へお願いします!


正面窓口の中で係の女性が声を上げている。

辺りの喧騒に紛れ届かなかったか、

呼びかけること3度・・・小走りで受付に向かう人、それが○○さんだろう。


「何か」を聞き漏らすかも、という不安がよぎり、Kindleを脇に置く。


と・・・今度はマイクを通した声が天井から流れてくる。

耳を凝らす。


yy番の方、入院受付窓口までお越し下さい


えっ・・・yy番?入院受付?


眼鏡をかけ直し向こうの角に焦点を合わせる。


二つの入院窓口。

一人が荷物をまとめ席を外し、yy番と思しき方が入れ替わり席に着こうとしている。

その席の後方横、三人ほどの列。

先頭の人が何やら操作している、タッチパネルか?


も し や・・・


そう、その も し や、自動発券機に違いない。


余裕綽々でボーッとしているとこういうことになる。


めっぽう早く到着し、結局、順取りで後塵を拝した男、

遅れ馳せながら、いそいそと奥に行き、整理番号を取る。


10人待ちか・・・


10時までにまだ30分はある。

大した手続きでもない、なんとかなるさ。

近目の長椅子に空きを見つけ腰を下ろす。


確かに、長々とした手続きを行なっているようには見えない。


前回、入院に際し連帯保証人をたてない場合、金xx万円を会計窓口に預けるよう、説明を受けた。

じっくり眺めていると、入院受付から会計窓口に向かう人が結構多い。

保証人になってと、お願いする方もされる方も「それはちょっと」・・・となるのだろうか。

 


救急搬送された母の入院手続き時、預託金の話はなかった。

が、連帯保証人を二人たてるよう言われた。

一人は自然の流れで誰疑うこともなく私、そして2人目は・・・で妹に連絡をとったが、

かなりの拒否反応が返ってきた。

妹には職業柄、より過敏な部分が相当ある。

連帯保証云々とは別に、その提供した住所氏名職業連絡先、どう管理してる?ダダ漏れでしょう?となってしまう。


そもそもは、連帯保証人、という五文字に良いイメージが一つもない。

人の連想なんて大抵の場合悪い方を思い浮かべる。

メディアが流す連帯保証にまつわるエピソードに良いものは無い、事件事故だから報じられる。


個人情報の四文字がそこかしこに踊っているこのご時世。

マイナンバー?個人情報が・・・と条件反射する人だって少なくない。


でも、わずか4桁の暗証番号、スキミング容易なキャッシュカードは当たり前に持っている、なんとかPayには疑うことなくクレカを紐付け、上限設定なんて気に留めない。

消費に関わるあらゆるデータも吸い上げられるが、そこに文句を言う人はいない(言ったところでどうにもならない)・・・

でもね、マイナンバーは個人情報が・・・となる。


世はイメージに左右され、人はイメージに支配される。


他人事のように言っているが、

私自身、常日頃、アンケートの類は大抵「拒否」するし、私に関わるデータは私のもの、断りもなく使うなんて、とそう思っている。


スパイ天国日本と昔から言われるが、セキュリティの脆弱さの根本には、私含む人々の意識の希薄さに単純起因するものもかなりある。

先送り先送りで、世の流れに沿うアップデートをしていない・・・技術も、法律も、人々の意識・リテラシーも。

そして今、口々に人は言う・・・文字通り判で押したように。

マイナンバーは個人情報が・・・と。

 

悲しいことに、それを報じる組織が相当デジタルワールドに疎い・・・

(実際疎いのか、そう装っているのかは不明)ので、

民はさらにマイナンバーは個人情報が・・・と煽られる。


世はイメージに左右され、人はイメージに支配される。

 


一方で、入院費用を踏み倒して患者がいなくなる、というケースは、病院側には一大事。

その辺りも含み、高額療養費、負担限度額認定といった制度説明が現場でなされているのかもしれない。

(大前提として、高額になりがちな入院患者の負担額縮小を、という患者に寄り添った病院側の姿勢も当然根底にある)

 

- ぼーっとする日(入院当日)②へつづく -