それ 認知症かも

認知力の衰えを頑なに否定する年老いた母。それを反面教師に自らのこれからを考える息子。

下準備

入院受付で一通り説明を受け、検査へ向かう。

入院するに先駆けての下準備といった位置づけだろうか。

検査順は問わないというが、初めての病院で縦横無尽に動くのは到底無理。


加えて厄介なのは、こういう施設では当たり前なのかわからぬが、検査場所がそれぞれ違う。

心電図はあの階の受付a、採血は別の階の受付c、といった具合。


この時間帯、病院内を行き交う人も多い。

検査から検査へ私と似たようなクリアファイルを手にした人がそこかしこにいる。

集団検診でも入っているのだろうか。

 

受付窓口で氏名・生年月日を宣誓、順番を待ち検査を受ける、

この所作を繰り返しながら粛々と巡り歩き、最後の仕上げ、採血受付に到着。

10人ほどが既に順番待だったが、次々に番号を呼ばれ採血室に入っていく。

私もさほど待たずに入室、こぢんまりとした室の中には見たこともない光景が。

7〜8ぐらいもあるだろうか、小学校の机を改造して一人露店のミニチュア版にした、といった体の採血ブース。

そこに採血担当者がそれぞれ陣取り、次々と入ってくる患者、いや、次々と差し出される腕から血を抜いていく。


採血となると

「血管が細いのでやりづらいかもしれません。」

と早々に申告、血管が浮き出るようその部分を擦ってみたりするのがいつもの私。


慣れない看護師さんだと

「あっ、すいません、もう一度・・・」

と言われ、針の刺し直し、なんてことも過去あった。

 

f:id:masakahontoni:20211117112237j:plain私の血管が細いのは本当で、

「掌を何回かグーパーしてみて下さい」

と指示されるのにも もう慣れている。


この日も、

「血管が細いのでやりづらいかもしれません。」

を宣言し腕を差し出し、

自発的にあのグーパーも開始した。


「あっ、それしなくて大丈夫ですよ。昔はそういうのありましたけど・・・今は何というか、こうリズムですっと・・・」

と徐に静脈に針を突き刺される。 

2本目のシリンダー、採血管/スピッツというらしい、に装填されていく血液を見ながら

「確かに細いからかな?溜まるスピードが少しゆっくりですね」

と余裕の表情。


採血作業だけ次々と繰り返していると、特段何ということもない医療行為なのだろうと、思いがけずも遭遇した採血名人に内心驚いた。


これで一通りの検査漏れなく終了、この日のノルマ完了だ。

さあ、いよいよあの精算機に立ち向かう時来たり。

 

ただ、本日は問診受け検査しただけ。

退院の日の本番勝負を睨んでのウォーミングアップといったところか。

 

五千数百円のウォーミングアップ代と交換に吐き出された1枚の明細書を受け取り病院を後にした。

 

 

入院も身一つで、というわけにもいかない。準備するものもある。

母の骨折で今時の入院にはそれなりのイメージもある。

記憶をたぐり、必要と思われるものを手配し始めた。


まずは院内用シューズ。

スリッパはダメよ、踵のある滑りにくいものを、と指示された。

浮かんだのは、甲の部分が扉閉じする介護用。

100均でも買えるCROCSがいいとネットにはあったが、持ち込むのに嵩張る。荷物は小さく軽いに越したことはない。

あの介護シューズなら軽くてぺシャンと袋詰めできる。 

滑り止めがしっかり、そして安いもの、を選ぶ。

届いた「介護シューズ あゆみ」は思ったより大きかったが、そこは扉閉じの威力、それなりに履きこなせそう。

 

病室でのTV視聴はイヤホン必須だ。

母は入院時、TVは見たくない、とイヤホン購入の機会はなかったが、自分は「こんな時ぐらい」TVは見させてもらいたいと思う。

TV用の有線イヤホンは大抵院内の売店にあるが、音が悪い、と評判のようなので、

嵩張るわけでもなし、適当なものを準備することにした。

ネット上の教えによれば、コードの長いもの、というのがポイントらしいので、「AudioTechnica TV用カナル型イヤホン」に決める。コード長3.5m。


次にティッシュペーパー。

ボックス入りだと嵩張るので、箱無し・コンパクトなもので。

これも院内の売店にあるのだろうが、いかにもといったサイズだと持ち帰るのに苦労する。

f:id:masakahontoni:20211117110415j:plain入院前から身体の保湿に心がけるよう、指示されたのを思い出し、その商品名に誘われて、「クリネックス 肌うるる ソフトパック」を選ぶ。実際「うるる」とならぬのはわかってはいるが、これもご縁だ。


ネットでこれには助かったとあった、からだふきタオル。

大判のものが使い勝手がいい、らしい。

術後24時間はシャワーも浴びれない。

点滴をしてれば洗顔も不自由。

相部屋なのか個室なのかわからぬ今、「ちょっとしたときに」濡れタオルは役に立つ、という目論見。

類似品が数種あるのを今回初めて知ったが、「ストリックスデザイン 超大判60x26cm」にした。


そしてアンダーシャツ。

入院・手術という天命が下ったからには、この機会に試してみたいのが、このアンダーシャツ。

高齢の親などが入院する際、下着の類を揃えようと院内売店や介護用衣服のショップをあたると、「前開き」シャツなるものをよく目にする。

もちろん身体上着付けに不自由する方は前びらきの方が着やすい、着せやすい。

入院中、体温計を腋の下に挟む、となれば前がはだけやすい方が都合が良い。

点滴をするとなれば、容易く袖を捲れる方が看護師さんも楽だし、たくし上げた袖口がきついと鬱血の原因になるかもしれない。点滴する腕が鬱血している、というのも洒落にならない。

果たして、そんな介護用「前びらきシャツ」なるものの使い勝手(着勝手、着心地)はどうなのだろう?

自ら試し、体験してみたいと思った。

これまで母用の下着類等よく購入していたネットショップ、ハナサンテラスで季節柄秋冬物をあたってみる。

今時国産物など探す方が難しいが、中国製だから即問題があるわけでもない。

その手の偏見はないけど、日本人用にデザインされたものでないと今一つサイズ感がわからない。

これはというものが、即納対応品でなかったのでハナサンテラス以外をさがすことになり、

検索してみると、あのGUNZEも前開きシャツを扱い、自らのサイトで販売もしているのを発見。

ただ、納期がファジー・・・なので直販サイトの利用は見送り。

結局、アマゾンで2種購入。

いかにもシニア用といった感は否めないが、用途が違うのだから仕方がない。

GUNZE快適工房 長袖 前あき」は憧れの日本製、ボタンでの開け閉め。入院生活に袖口付きがどう影響するか。

pkphhs 介護肌着 ワンタッチテープ 8分袖」は中国製、マジックテープで開け閉め。キルト地でこちらは袖口がない。


電子書籍

入院中の読書はこれ、多分必須。

偶々所有しているなら電子書籍用の端末、無ければスマホやタブレットのアプリでもOK・・・コミックでも小説でも百科事典でも、何冊持ち込もうが嵩・重量は同じだ。

 

小物入れ

これは入院経験者の推奨をネットで見て存在を知った。

確かに、メガネはどうした、あれは、これは、の小物を「手の届く先」にぶら下げておく、というのは良さそう、な気がする。

流石の中国製(偏見はない、と先程書いたのにもうこれだ・・)、なかなかに陳腐なものが届いたが、仕方がない。

別に高級品を求めていない・・・ただ、入院時以外の使い道はなさそう。それにこの造りならもっと安物が探せばあるのかも。

収納ポーチ 片づくん 8780-01

 

もう一つネットで評判の良かった「めぐリズム 蒸気でアイマスク」

入る部屋の状況によってはアイマスクが必要になるかも。

普通のアイマスクにするのか、畑は違うが使い捨ての「めぐリズム」でしのぐか。

後者を選択。


クリーム

初診時、入院受付窓口で、入院前からクリームを塗って乾燥肌を防ぐよう事前準備を進めてください、と強調された。

母の時は、全身に使えるという、キュレルのものにした。

f:id:masakahontoni:20211117111444j:plainこの手のものにあまり縁のない私自身に何が適当か皆目見当つかない・・・ので口コミだけを頼りに・・・母と同じというのも芸がない事も加味して・・・「エーザイ ザーネクリーム」を用意。

 

コード付き電源タップ

これもネット上の推奨で存在を知った。

病室では、患者が充電に使えるコンセントは少ない。少ないコンセントを効率的に利用するため、そして、ここが私には魅力的だったが、コンパクトなもの。

エレコム 超小型モバイルタップ

別にモバイル充電器、充電用コードももちろん携行予定。

 

マスク

場所が場所だけに必須だ、しかも長時間の装着・・・となれば耳掛け部がソフトなほど有難い。

相部屋なら夜も装着もしたいところ。

昼用に「エリエール ハイパーブロックマスク」、夜用に「エリエール ハイパーブロックマスク ムレ爽快」。

 

これも時節柄必要な「消毒液」

残念ながら持ち運び用として、小ボトルで販売されているエタノール消毒液は「健栄 手ピカジェル」のみ。

別にスプレーボトルに小分けしたエタノール剤もあわせて持ち込むことにした。

持ち込んだ院内用スリッパは使い捨てを推奨している口コミもあったが、自分は捨てないのでその消毒用。

 

他、通常の旅行時に携行するものと似たようなもの共々、小型のキャリーに入れて持ち込むことにした。

 

 

今回は手術の前日に入院。

前日は病院で検査食、そして当日朝から腸洗浄、午後に内視鏡という段取りになる。

となれば、入院前、自宅で何を食べ入院に備えるか、も私には大切な下準備。

 

大腸内視鏡検査前日には「食べてはいけなもの」「食べてよいもの」がある。

ネット上にはそれぞれ品目が多々公開されているし、ネットショップで「検査食」と銘打ったレトルトセットも販売されている。

 

自称プチ健康オタクの私は、繊維質の食物摂取量がかなり多い。

サプリのTVCMで「一日350グラムぅ〜?えっそれ無理ぃ〜!」などと流れると、かなりの違和感を覚えるくらいは摂取している。

常に口にしている豆乳、ヨーグルト、あれ、これ・・・ほとんどが「食べてはいけない」に属するものだ。

 

食したものが排泄されるまでの時間は24〜72時間。そして食物繊維の消化時間は長い。

私のような食生活者の場合、検査前日の検査食では下準備として不十分と思っている。

これまでの日帰り内視鏡検査では検査前2日間検査食にすることで、当日は不都合なく検査を受けてきた。

 

今回は、入院当日=検査日前日、院内での検査食摂取が予定されている。

これに先駆けて2日間、自宅での検査食を加え、入院当日と合わせトータル3日間の「下準備」期間を設けることにした。

そして、自宅での2日間;

・食物繊維の多いもの、および「食べていけないもの」の摂取を止める

・市販のレトルト検査食を中心に、量的に足らない分は豆腐や卵、鶏肉ささみ、そして日常は摂取することない粥、うどんで過ごす

ことにした。