あららら・・・そうなんですか・・・大変ですね。今はどこにいらっしゃるの?
やはり、x x xx ・・・
施設の名がお隣の口をついて出てくるとは思いもしなかった。
・・・・・・・・・・
これまでも、入院先、転院先、等含め母の所在を折に触れ聞かれはしたが、本人の希望もあるので、とずっと伏せてきた。
それがなぜ、今、お隣の口から出てくる・・・?
世間の噂 恐るべし
ふり返れば、N病院に入院中、見舞いに訪れた私に母がぽろっと打ち明けたことがあった。
この前びっくりしたんだよ。この病院に、ご近所のxxさんが勤めていたんだよ。あらっ、真坂さんって声をかけられたので、そしたらxxさんだったのよ。
実家にいた頃の記憶がほとんどない私に、果たしてxxさんが誰なのか思い浮かばなかったが、多分それは 母の夢の中の登場人物なのだろうと判断していた。
お姉さんが会いにきた、お姉さんがあれを持っていった、そういう類の話は未だに母がよくすることで、他界した姉があたかも生きているかのように話すことに私も慣れきってしまっている。
(あのxxさんは夢ではなく現実だったのか???)
私の頭の中を推測がグルグルと駆け回る。
それを顔には出さず、お隣さんの口から出かかった"x x xxから後”を遮るように間髪入れずに言葉を被せた
いや、もう、こういうことになると、なかなかこちらへ戻ってくるのは難しいような気もしますし、それを含め今後どうするかについては考えているところなんですよ。
いずれにしても当分の間は車椅子生活になると思いますし、どこまで回復できるのかも今はわからない状態ですから・・・
そうですねぇ・・・
それでですね、もう一年近くお留守の状態が続いていますし、年度が変わってまた町会費の徴収といっても、いらっしゃらないのに・・・とも思いますし。
持ち回りで順番に幹事役をお願いしていますが、それもこういう状態では難しいし・・・お留守の間にyyさんやzzさんも入院することがあって、度ごとにお見舞金を徴収してお渡しもしているのですが、真坂さんにお願いするのもあれですし・・・
そんなわけで、了解があれば、の話になりますが・・・一旦町内会を抜けていただくような形にしたらどうかと、そう提案しようと思ってるんですよ。
そういうことでしたら、おっしゃる通りにしていただける方が、と私も思います。家自体は、本人にとってもよりどころとなっているのでこのままになりますが。
そうですね。ご本人がまたお戻りになったら、改めて町会に入っていただければ、と、そのような形で・・・
わかりました、そういう形でお願いします。
母は今でも、1年ほど前内臓の病で入院したお隣さんはどうしたかねぇ、と気にしていて、まずは自らの骨折を治すのが肝心でしょうと、それどころじゃないでしょうと・・・
骨折さえしなければ、人生なんとかなるもんだとこれまでの母を見ていての私の実感なので、くれぐれも皆さん骨折だけはしないよう、お気をつけください。
ありがとうございます。私の体の方はもうすっかり良くなりましたので、そのようにお伝えください。
外面はすこぶるいいが、家では隣近所の陰口・噂話ばかり、そんな母だった。
隣近所と比較し、陰口を言い、自ら満足する、そんな風にしか私にはとらえられなかった。物心ついた頃から、同じ屋根の下で生活することに私は辟易としていた。
進学という機会を得、二十歳の声を聞く前に実家を離れ上京。
隣近所などというものも、物心ついた時から私には”無いに越した事はないもの"であり、今でも町内会といったものに特段の関心はない。
「じゃあ、真坂さんは町内会から抜けてね」
と言われたところで、これ幸いと思いはすれど、特別な感情にとらわれることは無い。
が、母はどうだろう。
良きにつけ悪しきにつけ、隣近所というあまりに狭い空間で人生の大半を過ごしていた母、あの家はああなんだよ、そっちの家はこうなんだよ、と毎日のように言い続けていた母。
近隣の福祉施設に働く不自由な人までをも、あの人は、この人はと噂話の類に取り上げていた母。
そんな母の自己満足の世界はもうここには無い。ご近所という限定的で狭苦しい空間から排除されたのは結局母だった、という結末。
不自由な人をあたかも別世界の人であるかのように噂話の種にしていた母。自らの今をもしあの時の母が見たら、果たしてどう表現するのだろう?
右を見て左を見て、群れにそぐわなければ外される・・・なんとも日本的なシステムではないか。そんな未だにつづく”群れ”の中で母は人生の大半を過ごしてきたのだ。
母の世代の方々には"群れ”の外の景色など想像すらしなかった事かもしれない。
あまりにも限定された境界線の内側で、鬱積したストレスは愚痴となり、陰口となり、そうやって息苦しさ・憂さを晴らすしかなかったのかもしれない。
今回のことを母に敢えて伝える気が私に無い以上、母がこの出来事を知る日は来ないだろう。
ただ、お隣さんの口から漏れ出た「アレ」には意表を突かれた。
母の言う、xxさんがN病院に勤める実際の人物で、情報発信元だったとしたら・・・
病院で母に会った、こんな状態・病状だった、などということまで情報発信していたとしたら・・・
世間の噂 恐るべし
職業上知り得た個人情報の流布?
入院患者の所在有無・部屋番号等の秘匿については、今時何処の病院も神経質に対処している・・・はず。
個人情報保護方針と謳っておきながら、この現実はどうしたことか・・・。
母の認知症話に尾鰭がつき、ご近所の茶飲み話に登場する、それに抵抗感はない。
唯一心配するのは、そいういった話が銀行筋にまで伝わってしまうことだ。
母の銀行口座凍結? 成年後見人? そんな面倒な事態は避けたいのだが・・・。
お隣さんとの話を済ませた私は、妹にメールを入れた。
この日のお隣さんとの話はもちろんだが、それにも増して今一度強調しておきたいことがあった。
こちらのレポート(pdf)にもある件ですが、
「骨折の連鎖の家族歴」も重要。両親のいずれかに大腿骨近位部骨折の既往がある場合は、大腿骨近位部骨折リスクが2,3倍高いと言われる。
親子2世代にわたり、骨密度とライフスタイルを調査した結果では、親子では骨密度値が近似していると報告されており、腰椎骨密度値では母から12~18歳の娘への遺伝相関があること、カルシウム摂取、身体活動においても母子間で強い相関があることから、親子間にも骨折連鎖は存在する。
以前も最寄り駅の喫茶店で同じ表現をしましたが・・・
「早かれば早い程、若ければ若い程、取り得る手段・選択肢はより沢山ある」
今のうちからとれる策はとっておいた方が、と思いますよ。
はい、最善の完全防止策はないと思いますが、気をつけたいと思います。
毎年の検査では骨密度は平均値ですが良いわけでもないですし、太りやすいのでその防止も必須事項ですし・・・
親が認知症だと子も確率は高くなると言われているので、諸々含めて自分も遺伝子検査も考えています(どこまでわかるものなのでしょうね…)
家族の病歴および遺伝的性質
もうひとつの危険因子は,家族の病歴です。 親や兄弟がアルツハイマー病にかかっていたという人はアルツハイマー病にかかる可能性が高くなることが,研究によりわかっています。 家族のうち,二人以上がアルツハイマー病にかかっている場合,その確率はさらに高くなります。家族にアルツハイマー病の発症が多い場合,遺伝あるいは環境的要因,またはその双方が関連していることが考えられます。
研究により,アルツハイマー病にかかる可能性を高める遺伝子がひとつ確認されていますが,この遺伝子を持っていても必ず発症するわけではありません。 その他,ある数種の稀な遺伝子がアルツハイマー病の発症に繋がっていることもわかっていますが,これらの遺伝子は世界の数百の家系のみに発見され,アルツハイマー病の全症例のうち5%以下に相当します。
アルツハイマー病患者の多くは70歳を超えて発症しますが、中には40〜50歳代という比較的若い段階で発症する患者もいます。こうした患者の多くが遺伝的なアルツハイマー病の素因を持っていると考えられています。遺伝的なアルツハイマー病は“家族性アルツハイマー病”と呼ばれ、原因遺伝子(専門的には「遺伝子変異」といいます)が明らかになっているケースもあります。神戸大学医学部附属病院では、2004年から先進医療(開始当時は高度先進医療)として、家族性アルツハイマー病と診断された患者の遺伝子診断を実施しています。