それ 認知症かも

認知力の衰えを頑なに否定する年老いた母。それを反面教師に自らのこれからを考える息子。

気がかりなこと

気がかりなこと?

それは色々ある。

  • 母の様子はどうだろうか、息子がぱったり顔を見せなくなり例の如く悪い方へ悪い方へと想いを巡らせてはいまいか?
  • この状況下、多分、入所者集っての「お出かけ」も減りストレス発散の場も限られ更なる症状の進行などありはしまいか?
  • 放置状態の家はどうなっているのだろう?
  • おかしな輩の侵入などありはしまいか?
  • ここのところの暖かさで庭には雑草が生い茂っているのではないか?
  • ポストが郵便物で溢れているのではないか?
  • 屋内に設置した防犯カメラの電池も もう?

そうは言えども、健康上のことは施設にお任せするのが最善であることに間違いない。自分勝手に不要不急の面会などする方がリスクは高いのだろう。

家のメンテはお任せする相手もいない、というか、こういう時こそ業者にお願いしてというのも一案なのだろうが、踏ん切りがつかず。

更なる状況の悪化でもない限りは、今のところは人海戦術?でなんとか乗り切ろうと考えている。

 

3週間近く帰省しないと精神的にムズムズしてくる。この週末は天気も悪くはなさそうだし、このご時世新幹線利用客もさほど多くないはずと、この数日間空席状況を毎日のようにチェック。

どうやら予想通り空席が目立つ予約状態のまま連休を迎えそう、となり思い切った。

 

東京駅始発の新幹線は空いていた。とは言え、私の想像よりは少々利用客がいたことが逆に予想外・・・

指定席車両の乗車率は多分3割程度、でも、あくまでも始発のこの列車に限ってのこと。それでも連休初日のこの日、通常ならばほぼ満席に近い状態になっていたのだろうから、それだけ「不安度」は広く人々の間に高まっている状況にはあるのだろう。

 

たまたまなのかはわからぬが、子供の姿はない。客車内を見る限り、高齢者の姿も少ない。いつもなら観光客の一大勢力、シニア層&高齢者層が、まさに不要不急の遠出を控えた故の状況なのかもしれない。

年寄り扱いするな、俺は大丈夫、余計な心配するな、とあれほど免許返上に頑なだった高齢者も、得体の知れない不安には至極従順におとなしい、ということか。

いや、おれは大丈夫と憤る方々も、実のところ内心不安はあるのかもしれない。

それを見せないことで自らを鼓舞している部分もあるのかもしれない。そんな気がする。

 

f:id:masakahontoni:20200322143450j:plainそれにしても誰もがマスクをしている。この客車中、99%がマスク装着者のようにも見える。

花粉の飛ぶ季節でもある。

感染予防に気休め程度の効果しかないマスクに皆が賭けているが故のこの状況でもないのだろうが、例年とは明らかに違う風景がここにはある。

それはそれでありがたい。

今の特別な状況下でなくとも、不躾にくしゃみなど前後ろでこれみよがしにされるのは御免被りたいことなので。

 

車内アナウンスが、咳エチケット、感染予防への気遣いを促し、列車内の空調システムにまでふれる。車内=密閉空間というイメージから来る利用客の過度な不安を恐れてのことか? 

これで利用客がもっと少なければ、気兼ねなく帰省するのにと、ふと罰当たりな思いが頭をよぎる。

 

妹から提案のあった除草剤を今回は携行。除草剤には色々あるようで、どうやら効くもの(即効力)ほど毒性、いわゆる周辺植物への影響も大きくなる。

f:id:masakahontoni:20200322145111j:plain雑草だけを「狙い撃ち」する、風邪薬の宣伝のような除草剤はどうやら存在しないようだ。
ホームセンターにある除草剤のうち 影響の限定的なものを選び、小型の簡易噴霧器と共に今回実家に持ち込んだ。

 

この連休は暖かくなる、という予報とはうらはらに、故郷の風はまだまだ冷たかった。

山から吹き下ろす強い風は決して春風とよべるような代物ではなく、薄着で来たことを少々後悔しつつ、この風で噴霧器というのもどうかな、という思いが膨らむ。

今日は「お試し」程度に止めようと、玄関周りに頭を持ち上げ始めた雑草にだけ一通り薬剤を振りかけた。

心配していた郵便物も溢れかえるほどには溜まっていなかった。

輩の侵入もない。

防犯カメラの充電池を交換し、早々に実家を後にした。

 

最寄りの新幹線乗車駅まで行き、駅ビルのカフェを目指す。どの上り列車にするか空席状況を調べねばならない。

 

f:id:masakahontoni:20200322145939j:plain余計な話だが、この春JRは、モバイルSuicaのアプリ内で行ってきた指定券予約販売を中止し「えきねっと」内での新幹線eチケットサービスに移行した。(満を持して?えきねっとアプリの公開も予定していたが、突如直前に延期)

f:id:masakahontoni:20200322150256j:plain以前なら、路線によっては指定席予約券の方が自由席券より安くなるという知る人ぞ知る?利用者に”寄り添った”サービスが提供されていたが、それもeチケットサービスへの移行に伴い姿を消した。

しかも・・・これまでモバトク、スーパーモバトクといった予約割引で割引かれていた額も大幅縮小。

これは改悪だ、値上げだと、小さな声がここそこの隅の方で上がっている。(昨年の台風で新幹線車両数十両を廃棄せざるを得なかったJR東日本の出した答えがこれ、という気がしないでもない)


えきねっとウェブサイトでの予約ということもあり、カフェで腰を落ち着け少しでも空いた車両の席を、と考えた。

新幹線乗り換え駅ではあるが、コンコースは確かに「通常よりは」すいている。難なく隙間だらけの人混みをすり抜け、カフェに入った。

 

空いている。

 

時として、席を探すようなこともあったが、この日は空席が目立つ。

 

席に着くなり早々に帰りの指定席を予約。

施設へは行かないと決めていたため、いつもより早い時間の上りだったせいなのか、私の他に一人分しか席が埋まっていない車両を見つけることができた。JRには申し訳ないが、私には有難い。

 

f:id:masakahontoni:20200322152500j:plainふと向こう前の席に座った年の頃60代後半といった風の女性が目にとまる。

バッグの中から出したのであろう小ぶりなボトル状のスプレー・・・それに入った液体をティッシュに吹きかけている。

 

何かな・・・?

 

f:id:masakahontoni:20200322150915j:plain今度はそのティッシュで自らのテーブルの上を丹念に拭き始め・・・それが終わると今度は自らが座る椅子の上を拭いている。

 

どうやらボトルにあるのはアルコール消毒液の類で、それで除菌しよう、という目的のようだ。

得体の知れないウイルス故に、それだけ大きな不安、留まるところのない恐怖、が心の中に生まれているのだろう。メディアの煽り報道にも罪があると思うが・・・

 

思い返せば、実家の雑草の一部に除草剤を振りかける以外さしたる進捗・成果もなかった。ずいぶん「高くついた」コスパ最低の旅?と言えなくもない。

 

f:id:masakahontoni:20200322151302j:plain都心に向かうがらがらの新幹線、誰憚ることなく座席のリクライニングを思い切り倒す。

それで幾分かは身体上の疲労は癒されることになるのかもしれない。が、気分的にリラックスできたのかは疑問だ。

  コロナはこれからどうなるのだろう?

  都内の感染者増がちょっと気になるレベルだな。

  施設での面会禁止状態はまだまだ続くことになるのかな?

  あと2週間ほどで母の要介護認定の更新結果が出るな。

  役場の通知が実家に郵送されるのは2週間後ぐらいかな?

  またこんな感じで行き来することになるのかな?

 

イヤホン越しにそれとなく聞こえてくる車両の振動音、

窓の外を音もなく流れてゆく景色、

人声がない分妙に静まりかえった車内、

脈絡なく様々なことが浮かんでは消えてゆく。