それ 認知症かも

認知力の衰えを頑なに否定する年老いた母。それを反面教師に自らのこれからを考える息子。

書籍;「3行日記」を書くと、なぜ健康になれるのか?

f:id:masakahontoni:20190101165607j:plain新年から日記を書こうと決め、ほぼ日5年日記を購入してからあっという間に年が明け、本日元旦也。
書こうと思った動機はただ”なんとなく”、そして年号も変わることにも背中を押された気がする。

「3行日記」を書くと、なぜ健康になれるのか?

こういう本がある、というのは知っていたがAmazonのWish Listに放り込んだままにしていた。
日記を書こうと決めた時、そういえば、と読む気になった。

 

趣旨は、3行日記を書くことで自律神経が整い、心と体をコントロールできるようになる、ということらしい。発刊当時は結構人気を呼んだ本だという(と聞くと、眉唾物ではないかと身構えてしまうが)。

ただ、「文字を連ね心情を綴っていると、どう表そうかと思い悩むうちブルーな気分になってしまうことが多い」、と書かれているが、それはそれで全く意味がないことではないと私は思う。いや、それはあくまでも自律神経を整えるのに、という観点では、という前提なのかもしれないが。

”はてな”にも「書くことで救われた、落ち着けた」と書き込まれた沢山のBLOGがあり、それが、日記なのか、3行なのか、によらず、単文であれ長文であれそれぞれの人が心を落ち着けるに、あるいは、気持ちを整理するに、意味のあることなのだと自らのこと含め感じている。


自律神経を整えるのに筆者が勧めるのは;

日々寝る前に;

- いちばん失敗(悪かった、嫌だった)事
- いちばん感動(うれしかった)事
- 明日の目標(orいちばん関心があること)

の3テーマを一行ずつ「手書きして」いく、3行日記をつけるというもの。

 

こういう世の中で自律神経の乱れはやむなしとしても、それを毎日リセットしておかないと状態が益々悪化、始末の悪いことに、それが一旦乱れると元に戻しづらい、という。それをいかにして修復するのか?

 

自律神経、すなわち交感神経と副交感神経、両方をバランスよく高めることが健康につながるが、交感神経>副交感神経(アクセル>ブレーキ)となるケースが一般的であるばかりか、副交感神経の働きが、男性30歳・女性40歳を境に大きく下降、加齢とともに低下してしまうという。

病気になる/ならない、パフォーマンス善し悪し、は副交感神経のレベルに左右され、日記にはその働きを高める効果あるというのだ。
そして、それはパソコン日記では効果が薄い、なぜなら液晶画面上の作業は神経が高ぶってしまうからだという。

 

日記を書くと呼吸が整い、心身が落ち着く。そして呼吸と自律神経は密接な間柄にある(ゆったりした呼吸に切り替わると、自律神経も自動的に副交感神経優位のモードに切り替わる)。

どこかで聞いたような・・・瞑想だ。著者は瞑想のメの字も出していないが、瞑想とは呼吸、呼吸によるところの精神的部分への影響はこれまでも幾多の方面で説かれてきたところだ。

”意識的に呼吸を整えることで、自律神経を変化させバランスを整えていくことができる”、これもまた瞑想そのものを思い起こされるフレーズでもある。

  • 速く浅い呼吸→血管収縮し交感神経優位に→心身緊張しアクティブ・モード
  • ゆったり深い呼吸→血管拡張し副交感神経優位に→心身の緊張とれリラックス・モード

呼吸によるモードチェンジは副交感神経の上下で調整される故、自律神経のコントロールには「ゆったりした深い呼吸」で副交感神経を刺激するのが順当・確実な方法だと。
(このあたりの箇所も、瞑想関連本を読んでいるがごとき錯覚にとらわれるほど。)

血流測定器使用した著者の実験では、呼吸止めた瞬間に抹消の血流が悪化し、それが深呼吸で即座に回復した事が認められ、呼吸には一瞬で体の状態を一変させてしまう力があるとしている。

 

健康になるには、日常のストレスを放置しないことが近道で、免疫力低下につながる自律神経の乱れを放置しないことでもある。違和感、不快感、不調感、を放置しない、気づきとして意識する、そのツールとして3行日記を活用すべきだと。
その日その日のうちにわずかなりともストレス整理をし、連鎖を断ち切る。それをゴルフになぞらえ、日々小さなリカバリーショットを打つ意識を持つことを著者は勧めているのだ。

 

そして、自律神経のバランスの乱れが原因となり疾病を誘発すると警告している。
病気になる原因は大きく二つ、血管系のトラブルと免疫系のトラブル。血管系とは血流に関わる問題。免疫系とは免疫細胞/免疫力。
癌、感染症防ぐには免疫力を高くキープしておく必要あるが、その主役「白血球」には顆粒球、リンパ球、マクロファージがあり、前者二つが自律神経のバランス具合で常に増滅するという。

  • 交感神経が過剰→顆粒球が増えすぎる→体内の有用な常在菌をも攻撃→免疫力が下がる→炎症性の病気が起こりやすくなる。顆粒球が死ぬとき→活性酸素をばらまく→細胞を傷つける→ガン細胞が発生しやすくなる。
  • 副交感神経過剰→リンパ球が増えすぎる→異物に過敏反応→アレルギーなどの病気が起こりやすくなる。

つまり、免疫システムは諸刃の刃というわけだ。
そして血管系・免疫系トラブルのきっかけは自律神経のバランスの乱れだ、という。

 

※いつ日記を書くか
健康にとり最も重要な時間は就寝前。日中の交感神経優位の状態を切り替えず、そのまま寝てしまう習慣は大問題。結果、寝つけない、浅い睡眠、心身を休められない、等の弊害をもたらす。
ベッドにはいる前までにいかに副交感神経を上げておくかがポイント。
(私には、ここの部分が、母の夜な夜なかかる電話に悩まされた時のことが思い起こさせる。多分どんな日記のたぐいを書こうとも、あそこからそう易々と抜け出すことは私にはできなかっただろうと思うので。著者の提言には納得はするものの、3行日記がどこまで”通じるか”という懸念は残る)


※日記を手書きする、ということ
日記つける=「意識化」する作業。ゆっくり、ていねいに書く、という行為で心と体が整えられる。文字の乱れ具合は「自律神経の状態」を表す。
頭の中で「なんとなく思っている」だけでは何も変わらない。短くシンプルに書いてこそ意識に深く刻み込まれる。

 

※自律神経と腸内環境
交感神経が優位なとき、胃腸の働きは鈍くなる。
腸がいちばん働く時間帯(就寝前後1~2時間。この時間帯をどのように過ごすかが、健康維持に重要)までに副交感神経をしっかり高めておく(夕食を早めに食べ終えておく)べき。
腸内細菌叢を良好にするには、善玉菌増やし悪玉菌を増やさない事が大切で、悪い腸内環境で栄養吸収した血液は質が悪い。そして腸の好不調は、体全体の健康問題につながる。

 

※日記と健康長寿
健康長寿実現に自律神経のバランスが大事だが、加齢にともないレベルが落ち、バランスも乱れがちになる。それすなわち、トラブルに見舞われるリスクが高まることを意味する。
そのリスクを最小限にとどめるためだけでなく、「1日の出来事を振り返り、思い出しながら書く」ことで、「海馬・前頭葉の働き」を維持し、「認知症リスク」をも減らすという脳の健康維持のためにも、死ぬまで3行日記を続けるべき。

 

※日記と美容
日記をつける女性は若々しく美しく変わっていく、科学的な裏付けがある。
自律神経が整っていれば、女性ホルモン(含エストロゲン)の分泌が良くなる。快眠で、成長ホルモン分泌が盛んになり肌細胞の新陳代謝がよくなる。
血流がよくなる(抹消血流)すなわち血色が良くなる。腸の働きが良くなり血液の質がよくなる。美容の敵ストレスに強くなり肌・心にはりがでる。
(男性ならアンチエイジング、ということか?)

 

※生きる力と自律神経
一日一日自律神経を整え、適応力・平常心を築き上げていく必要がある。

  • 自律神経のバランスが高レベルで整っている=環境・状況変化に速やかに対応、幅広く柔軟な対応策をとれる(適応力の幅)
  • 偏っているor交感神経突出=常にピリピリ。思い通りにいかないと、怒鳴ったりキレたり。余裕なく変化についていけず、益々適応できなくなる。


※3行日記のつけかたポイント

  • 書く順番
  • 1行の字数は簡潔に
  • 必ず手書き
  • ゆっくり丁寧に
  • 日付・曜日必須 天気不要
  • 書く時間帯は就寝前
  • 落ち着ける場所で、自分一人で
  • 書くのにかける時間 問わず
  • 他人に見せない 見られること前提に書くものではない
  • 作文ではない 
  • 悪口OK
  • 日記帳・ノート 問わず
  • 手帳はNG 手帳と日記は別に。
  • 毎日でなくてもOK

 

元々この本ありきの「日記を書く」宣言ではなかったが、書くことに思った以上の意味はあるのかも、と思えたことは収穫だった。
ほぼ日5年日記A6版は、書き込むスペースが限られているので、自動的に行数は少なくなると思う。そして、就寝前に書き込むのが適当、という提言は(まことに上から目線で失礼ながら)採用したい。


何行書くのか、それぞれ何を書くのか、それを著者の勧めるような「3行日記」とするのか、それは決めていない。今晩、日記と向き合ったときの思いに任せたいと思う。それでも、今日は○X神社へ初詣に行きました、といったたぐいのことを記すのか、には迷いはある。ほぼ日5年日記は、左ページに日々のごく限られた書き込みスペースが設けられているが、右ページは丸ごとフリースペースだ。どうしても○X神社のことを書きたいなら右ページに、という手もある。

 

「NHKきょうの健康」出演の医師監修による自律神経の記事。交感神経と副交感神経の違いや働きを紹介。バランスが崩れたり乱れたりすると、倦怠感、冷え、頭痛、めまい、胃痛、不眠、うつ、免疫力低下などの不調や、PMS(月経前症候群)や更年期の不快な症状につながります。

情報源: 自律神経の基礎知識 【交感神経と副交感神経】