母の要介護認定の更新手続きを行う時期が巡ってきた。
昨年は、代筆した更新申請書を郵送し後は全て施設で代行。
母の介護度は、「2」から「3」へ一つ上がった。
認知症の程度に大きな変化があったとは思わないが、車椅子での生活が多くなっていることが加味されたのだと推測している。
大腿骨骨折後、二足歩行はできてもバランスが悪く、その分転倒リスクがある、とサービス計画書にはあった。
リスク回避の意味もあり、施設内も車椅子を自ら操り移動することが多くなっているはずだが、変わらず気がかりなのが夜半時のトイレ。
少なくとも夜間は室内にポータブルトイレが設置されているのだろうが、ベッドから”そこ”までの移動は必要。
たった数歩の距離。二足歩行ができないわけではない母が、そんな短い距離、わざわざ車椅子を使うとは思えない。
寝ぼけ眼でふらついて転倒骨折、それは起こり得る大きなリスクだと思っている。
そして、気がかりなのは申請手続き。
(コロナ禍の中、調査員が面談のため来訪するというのはどうなのか?
家族との面会さえ止めている状況で、調査面談は難しい。
では「状態」悪化で、支援・介護度合いの変更が必要な入所者はどうするのだろう?」)
(まずは施設に聞いた方がよさそう。)
代筆した変更申請書を、施設長宛問い合わせの手紙に同封した。
これが「新たな」施設長への初めてのコンタクト。
ひと月ちょっと前の事。
母の入所以降お世話になっていた施設長から連絡があった。
真坂様ですか? xxです。お知らせしたいことがありお電話しました。
私も、定年となる時期を迎えまして・・・この節目に退職することにしました。
定年?・・・ですか?
はい、65歳ということで・・・後任は、隣接のグループホームの施設長に決まりました。私よりはずっと若いですが、経験豊富な方なのでご安心ください。
そうですか・・・できることなら直接お会いしてこれまでのお礼を言いたいところですが・・・
いえいえ、こういう状況ですから・・・
こういう場面で細々と根掘り葉掘り聞く、というのが大の苦手故、通り一遍のお礼しか返せなかったのが、思い返せば少々悔やまれる・・・
定年退職、と言っていた・・・もう介護職から離れる、ということ?
コロナ禍での職務がかなりこたえたのかな?
施設長まで務めたベテランなら、活躍の場は”他”でも沢山あるけれど?
さて、その後任の方はいったいどんな人?
系列のグループホームの施設長だったなら、事務的な引継ぎはスムーズかな?
介護士には「流派」がある、とものの本にはあった。さて、どんな「流派」(「主義」「主張」)なのか?
「流派がある」・・・それは病院によって高齢者の看護・介護体制が様々あるのと似ているのかもしれない。
“比較的“容易に拘束に向かう現場もあれば、“出来うる限り“拘束を避けようとする現場もある。
流派があるのは介護施設だけではないのだと身をもって知った。
それは母が大腿骨骨折で搬送されたN病院でのこと。
なるほど「流派」とは主義なのだ、N病院はそういう主義なのだと悟ったとき、どうやら私は異なる流派に属しているのだと自ら認識したのを覚えている。
そんな中、当時の施設長も”こちら側”に属していることがわかり、母はこの施設長で良かった、この施設で幸運だった、という思いに確信が持てた。
そんな施設長が退職するという。
そして後になって、あんなこと・こんなことが色々浮かんでくる・・・
- 季節の変わり目・・・その②へつづく -