それ 認知症かも

認知力の衰えを頑なに否定する年老いた母。それを反面教師に自らのこれからを考える息子。

道すがら

な、なんだこれは・・・

 

私は高を括っていた

 

木曜日は祭日。2月のこの日、実家のメンテに帰省しようと決めていた。

 

前日、水曜夜、新幹線の予約席をとろうとアプリを開いた。

東京始発の下り、いつもと同じ時間。

いつも通り窓際の席でいいかな・・・

 

現れた座席表を見て驚いた

な、なんだこれは・・・

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席が埋まっている。

コロナ禍の中、人の居る列に新たに席を予約する者はいない。前後も空席なら なおのこと”ありがたい”。皆考えることは同じ。

おのずと順々に”適当な”列が埋まっていくことになる。

 

そして・・・

ほとんどの列がもう埋まっている・・・


一車両あたり1割ほどの予約しか入らない、そんな早朝始発の予約席がこれまでだった。

それがどうした?この有様・・・。

 

 

木曜日、早朝のローカル線に乗り、東京駅を目指す。

f:id:masakahontoni:20210211182543j:plainこちらはいつも通り空いている。一つの長椅子の両端に一人づつ、そんな程度。

 

f:id:masakahontoni:20180917183222p:plain東京はそんな風にはいかないのよ。
5時台のに乗っても、隣には必ず誰かがいる状態。なんとか座れるだけ。
毎日テレワークっていう訳にもいかず仕方ないけど、電車に乗るのはちょっと緊張するわね。

 

f:id:masakahontoni:20180823154054p:plainそうか、東京は違うね。

 

 先月そんな話を妹としていたのを思い出した。

 

ガラガラの車両内。中高年が多く、皆じっと目を閉じている。

f:id:masakahontoni:20210211183935j:plain向こうの長椅子の端に20代と思しき女性が一人。前に置いたキャリーバッグが動かぬよう片手を添え、もう片手に持ったスマホを睨んだまま動かない。

今日出かけて、いつ帰ってくるのかな・・・金曜休めば4連休ということかな?

取り止めのないことが浮かんでくる。

 

いつも眺めることのない車両広告なども一つづつ目で追ってみる

転職関連の広告、そして不動産(空き家)・・・

 

リモートばかり、入学しても誰とも会っていないと嘆く学生、

アルバイトができず困窮する大学生、

都心にいても仕方がないと地方に移動する会社員、

それでも転職、引越しの季節がまた来たということか・・・

例年とはだいぶ違うこの状況・・・季節は巡りはや一年が経過してしまった。

 

f:id:masakahontoni:20210212120320j:plain転職、不動産、そして、その向こうは女性の脱毛サロンの広告、並んで奥には男性向け増毛サロンの広告。

意識的に並べて掲示してある? 時節柄、女性、男性、意図的に並べた?

具にもつかぬことが次々に浮かんでくる。

男、女、年齢、障害、あれこれとひとくくりにしようとする時点で、既に一回り世の中から遅れている・・・。

 

 

東京駅に到着。

新幹線の改札口あたりに人溜まりはない。これまでの早朝と何ら変わらない。

改札を抜け、階段を一歩づつ上がっていく。エスカレータを使わない、というのが自身に課した掟。発車時刻までまだ少々ある、時間稼ぎに丁度いい。

ホームに上がり数十歩進んだ辺りにある自販機でコーヒーを手に入れ、最寄りの乗車口前に向かう。これがルーティーン。

 

なるほど、と合点がいった。

f:id:masakahontoni:20210212131244j:plainスキー客だ。(スキー板というよりは、ボードを傍にした人の方が多いが)

席を埋めているのは皆レジャー目的のようだ。

 

それでも列車内は静かだった。

若者、若者と何かにつけ標的にされる今時だが、声が大きいのは中年以上に多い気がする。

若者もカップルならひそひそ声で二人の世界。

友人同士でも少人数なら若者(とひとくくりで呼ばれてしまう人達)の方が「わきまえている」。(人によるのだろうが)

f:id:masakahontoni:20210212130132j:plain例外的なのは、4〜5人かたまっている場合。

年齢問わず群れると大胆になる、声も大きくなる、人にはそんな習性があるのかもしれない。

 

幸い、この列車に群れは無かった・・・