それ 認知症かも

認知力の衰えを頑なに否定する年老いた母。それを反面教師に自らのこれからを考える息子。

青天の霹靂・・・③

 

 

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事の次第を妹に連絡した・・・

 

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X月X日に施設長より、相談事項ある故 時間を取ってほしいと依頼を受けた。

この秋より、A施設が 住居型有料老人ホームから介護付き有料老人ホームに形態

f:id:masakahontoni:20190908170132j:plain変更になるらしい。以前から申請を出していたものが通ったという知らせを施設長が上層部から受けたのも最近だったらしい。

 

f:id:masakahontoni:20180823154054p:plain住居型と介護付きの一般的な違い、メリット、デメリットについて巷で言われている内容はわかってはいるが・・・

元々限度枠いっぱい使って毎日デイ利用で、介護付きとなっても金額的に大きな変化はないと思う。

ただ、デイのレク利用で、母の気がまぎれ、精神的且つ肉体的に昼→夜のメリハリが効いていた、という肝心要の部分があったはずで、それがどうなるかという点が気がかりだ。

施設長も「一個人として思うのは、特に母の場合、毎日が初日といった感じでデイに通い、一日一日が新鮮な気持ちに切り替わることにもなっている。施設が介護付きとなることでレクも外出活動を増やしたり色々変えていかねばという思いはあるが、デイの介護士さんにはそれ相応の長けたところもある。そういう点が不安なので介護付きに業態変更になるのであれば別の施設に、という選択肢もありえる。」と言っていた。

 

f:id:masakahontoni:20180823154054p:plain介護付きとなると外部(通所)利用でなく、施設内でのリハ、レク等に全て頼ることになる。

元々施設内にも認知症対応デイサービスの事業所があり希望入所者を部屋に集めレクを行なっている。私も母の入所前に現場見学し、担当介護士さんから説明も受けている。

f:id:masakahontoni:20190908165435j:plain担当介護士さんは熱心な方という印象で、不安は感じなかったが、参加人員がさほど多くなく、性格的に、というよりは認知症の進行度合いが母より高い為と思うが・・・物静かな方が大半。それだけに、担当される介護士さん達がテキパキと元気に動いているいるのとは対照的に見えた。

そんなわけで、母を飽きさせない、という点でもっと規模の大きな参加人員の多い、賑やかな現場が適当なはずと思い、現在通っている別の2施設を選択した。

介護付きになれば、それらの外部サービスは使えない。すべてを施設内で、となる。

施設長との会話、面談ではその点に対する不安をそのままお伝えした。

 

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一方で、やっと今の居場所にも慣れ始め、介護士さんたちとも顔見知りになりつつあるのに、また別の施設で振り出しから、となると再び母の情緒不安定を呼び覚ますことになり、それをおさめることが果たして又できるのか確証が持てない。

それに、K病院入院時から引き続き投薬・調剤含め医療サービスを受けられるという医療面での便利さには変えがたいものがあり、なんとかこのままでという思いもある、ともお伝えした。

 

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なお、施設長との面談で言及しなかった事が1点ある。

はからずも、施設長が口にしていたことだが「できればA施設で最後までという希望を持つ方もおられ、上の方でも看取りまで含めた介護を行えるよう指定を受けるべく申請を出していたようです」にある「看取り」に関してだ。

 

f:id:masakahontoni:20180823154054p:plain住居型となると介護・医療サービスは外部のものを入所者が希望により選択するというのが基本。勿論、看取りなどはすべて外部の医療機関に入院の上行なわれることになるのだろう。

これが介護付きとなると、施設にもよるのだろうが、看取りも施設で行う、こともあり得る話になってくる。

 

f:id:masakahontoni:20180823154054p:plain母のこれからがどうなるのか私には予言出来無いが、いざという時はそばにK病院がある分手助けになるのでは? とこれまでは希望的観測を持っていた。

f:id:masakahontoni:20190908164706j:plainそれが介護付きとなれば、それはそれでより心強い?ありがたい?ことと考えてもよいのかもしれない。

施設長との面談時に受け取った説明書にはより具体的に看取りに関する記述がある。

 

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なお、一般論にはなるが、住居型ではなく、介護付きで指定を受けるということは、事業者側から見ると経営が安定する、というメリットがある。

住居型では、外部サービスの活用はあくまでも入所者の自由。

事業者側としては出来るだけ事業者が別途運営する外部サービスを使ってもらうことで介護報酬という付加収入が国から入る。

となれば、できれば限度枠いっぱい事業者関連外部サービスをいかに使ってもらうかに事業収入が左右される。なんのサービスも使わず入所しただけでは、単なる賃貸アパート経営と同じになってしまう。

 

これに対し、介護付きでは、入所と同時に介護サービス限度枠いっぱいが国から落ちる。

入居者側から見れば、介護サービスをさほど受ける必要のない状態の人なら、満額が既に月々の請求に含まれている介護付きよりも、住居型の方が安くつく可能性がある。

また、介護付きではどうしても画一的な施設内サービスとなる点否めないが、住居型では気に入った外部サービスを受けられ自由度が高い、つまりわがままな人なら住居型、従順な人なら介護付きといったこともあり得る。

ただ、あちらよりこちらのデイサービスが合っている、と判断できる被介護者・家族が世にどれだけ存在するのかは大いに疑問だ・・・

 

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母の場合は、昼間はしっかりデイサービスでという理由から毎日それを利用し、介護保険サービスを限度枠いっぱい、既に使っている。よって、繰り返しになるが、金額的に介護付きになったところで大きく変わることはない、と思う。

 

recrea.jp

 

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<”看取り”について>

平成29.3.22 厚労省 意見交換資料によれば;

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最期は畳の上で・・・とは裏腹に、現実は圧倒的に自宅外、特に病院で、というのが圧倒的に多い。他国と比べて特異な状況にあると資料にはある。

ただ、近年みられる変化として、老人ホームでの看取りが徐々に増加しているという。

 

みずほ情報総研 2014.7.15 「多死社会における看取りの選択肢」にこのような記述がある・・・

 

厚生労働省は、増加する看取りの受け皿として、医療機関の病床増ではなく、在宅や介護施設等での看取りを増やすことで対応していく方針を明確にしている。そして近年の診療報酬・介護報酬改定においては、在宅や介護施設での看取りの実施を報酬面で評価するようになっている。

 

つまり、厚労省の施策を受けての 「老人ホームでの看取りが徐々に増加」という近年の変化があるのかもしれない。

kaigo.homes.co.jp

www.kango-roo.com

 

入所施設の業態が変わる、という話題から「看取り」についてまで話を広げるのは「時期尚早」「不謹慎」と言われてもやむを得ないかもしれない。

私は、あの時、父に関わる判断を医師に促された”あの時”からそのような情緒・感情の揺らぎを感じなくなってしまったような気がする。

 

ただ、こちら↓にある高齢者の死亡原因の変化にあるように、

一時は減少傾向が続いていた「肺炎による死亡」ですが、日本が高齢化社会(高齢化率7%以上)に突入した1970年頃から再び増加傾向となり、2013年には97.8まで増加しています。特に高齢になるほど死亡率が高くなり、肺炎で亡くなる人の97%以上を、65歳以上の高齢者が占めています

出処: 高齢者の死亡原因 | 健康長寿ネット

肺炎による死亡者の96.8%が65歳以上、肺炎が原因で亡くなる60歳以上の高齢者のうち96%が誤嚥性肺炎であるというデータがあります。

出処: 肺炎による高齢者の死亡原因第1位は「誤嚥性肺炎」 | シニアライフアドバイザーが答える介護Q&A【いいケアネット】

高齢になる程「肺炎」で亡くなる方が増加している現状、そして「肺炎」で亡くなる高齢者の多数が「誤嚥性肺炎」である、ということを考え合わせれば、いつ何が起きてもおかしくない、というのが現実なのだと思う。

 誤嚥性肺炎による死亡の中心は肺炎と同様に男子では85歳,女子では90歳ほどになっている.現在の傾向が続けば死亡者数の減少は見込めず,2030年における死亡者は男子77,000人,女子52,000人程度に上ると予測される.

 誤嚥性肺炎による死亡を減少させるための手段として,「口腔のケア」や「口腔機能訓練」の重要性が指摘されている.これらの手段の活用により誤嚥性肺炎による死亡者の減少が期待される.今後の死亡動向を観測し,これらの手段の有効性を評価していくことも重要であろう.

出処: 東京都健康安全研究センター » 人口動態統計からみた日本における肺炎による死亡について(肺炎,インフルエンザ,誤嚥性肺炎,年次推移,世代マップ,人口動態統計)