それ 認知症かも

認知力の衰えを頑なに否定する年老いた母。それを反面教師に自らのこれからを考える息子。

糖質過剰症候群・・・② <第3の糖尿病?アルツハイマー病>

 


個人個人で自らを管理することはできないのでしょうか?

 

時としてSNSで取り上げられた、

寿司屋でシャリだけを食べ残した、

天ぷら屋で衣だけ食べ残した、

 

f:id:masakahontoni:20190821164949j:plain”ある意味”糖質?に神経質とも思える方々が、映える映えるとスイーツの食べ歩きなどしたり、”カロリーオフ”謳う果糖入り飲料水をゴクゴク飲んでいたりするような現実は、

健康・ヘルシーを臆面もなく掲げる「糖質たっぷりスムージー」が店頭に並ぶ状況と何も変わらない・・・そんな思いがこみ上げてきます。

 

 

f:id:masakahontoni:20190821173658j:plain糖質の海に溺れたくない、取り返しのつかぬ深さまで沈み込みたくない・・・?

 

「糖質過剰症候群」の中に記された印象的な部分、そして認知症関連の部分をいくつか抜き出しておきます。

  • そもそも「健康」というものは空想、妄想にすぎない。ただの思い込みでしかない。自分で感じる体調が問題なければ、それを「健康」と見なしている
  • 低カロリー食品の落とし穴。食品のカロリーを低下させるのに最も簡単な方法は、脂質の量を減らすこと。脂質の代わりに糖質を入れれば、甘くおいしくなるだけでなく、「カロリーオフ」となる。
  • 低カロリーの食品は決して減量に向いているものではなく、事実は逆で、糖質が多くなる分、体重の増加に寄与する。糖質の中でもとりわけ果糖は、内臓脂肪に直結。
  • ブドウ糖が、アルツハイマー病では脳に取り込まれにくくなっている。ブドウ糖の取り込みの低下は、AI(人工知能)を使えば、アルツハイマー病と診断される6年以上も前から検査で異常が認識できる。
  • 「第3の糖尿病」とも言われるアルツハイマー病
  • アミロイド β を分解する酵素は、インスリンを分解する酵素。インスリンが多すぎると、その分解に精一杯となり、アミロイド β まで手が回らない。インスリンの分泌低下や作用低下は、神経細胞に大きなダメージを与える可能性が高い
  • 糖質を多く摂り、血糖値が高い人ほど認知症に
  • 糖尿病があるとアルツハイマー病の危険性は2倍以上。血糖値が200 mg/ 以上になった人ではアルツハイマー病の危険性が3倍以上。
  • アルツハイマー病が糖質過剰症候群の一つの病態であることを否定する方が難しい。ただ、脳のインスリン抵抗性とそれ以外の臓器のインスリン抵抗性は、独立していると考えられる。アルツハイマー病が糖尿病に併発することはもちろん多いが、糖尿病がなくても認知症になる。
  • 日本の認知症の割合はOECD加盟国 35 か国中第1位。日本の人口に対する認知症有病率は2・33%で、OECD平均の1・48%を大きく上回っている。
  • 糖質の摂取量の増加は、脳由来神経栄養因子(BDNF)と呼ばれる、神経細胞の維持、成長などの役割を担う、脳に非常に重要なタンパク質のレベルを低下させて、うつ病のリスクを高める可能性がある。
  • 糖尿病とうつ病は、非常に高い割合で併発する。2型糖尿病患者は、そうでない患者に比べ、3年間にうつ病を発症するリスクが 50%高く、逆にうつ病の患者は、3年間で糖尿病を発症するリスクが 21%高いだけでなく、肥満や不健康な行動、炎症が進行しやすいという報告
  • 糖質を過剰に摂取して血糖値が増加すると、LDLの質が低下するだけでなく、HDLも機能障害に陥る。こうして「悪玉」のリポタンパク質が増加する
  • 糖質制限をするとリポタンパク質の質は向上し、HDLコレステロールも増加し、中性脂肪は激減する。このことにより様々な心臓や血管の病気のリスクを低下させると考えられる。
  • 糖質の中でも最も毒性が高いと考えられているのが果糖。果糖を過剰摂取すると、中性脂肪値が増加し、sdLDLや酸化LDLまで増加する。最も心臓や血管を痛めつける糖質が果糖。糖質の中で果糖が最も肝臓での脂肪合成を増加させ、肝臓に蓄積する脂肪を増やす。
  • がん細胞は糖質好き。PET検査は、がん細胞がブドウ糖を好んで大量に取り込むことを利用した検査
  • 高血糖や高インスリン血症、HDLコレステロール値の低下は、発がんリスクを増加させる。これらはすべて糖質過剰摂取で起きる。
  • 女性特有の病気とIGFの関わりは非常に大きい。高IGF‐1を示す女性は、乳がんをはじめ、子宮がんや卵巣がんのリスクが高くなる。IGF‐1はBMIが高いほど増加。閉経後の子宮体がんではIGF‐1が有意に増加していた。
  • 女性側にも男性側にも、糖質過剰摂取による高血糖、AGEsの増加、インスリン抵抗性などによる不妊が起きていると考えられる。スイーツ好きの若い男女は多い。しかし、そのスイーツは血糖値を上げ、AGEsを増加させ、インスリン抵抗性を生み、体を傷つけ、子孫を残すための非常に重要な体内環境を狂わせていると思われる。
  • 骨粗しょう症は、高血糖やインスリン抵抗性と関連している。糖尿病では骨の質が低下する。骨粗しょう症は、骨密度だけを重視しても仕方がない。骨質が悪く、強度が低下すれば、骨折する。それは、AGEsによるコラーゲンの劣化が起きるからと考えられる。
  • インスリンやIGF‐1は、骨芽細胞の分化やコラーゲン産生に重要な役割を担っている
  • 脊柱管狭窄症 は、主に黄色 靱 帯 が 肥厚 することによって起きるが、この黄色靱帯の肥厚にはIGF‐1が関わっている。糖質過剰摂取でインスリンやIGF‐1の過剰分泌が起きると、黄色靱帯の異常な増殖を起こして、長い年月をかけて少しずつ分厚くなり、やがて神経を圧迫してしまう
  • 日本人2646人の対象者の中で153人の脊柱管狭窄症の人を分析すると、脊柱管狭窄症の危険因子や併発する病気について、高齢( 60 歳以上)というだけでなく、糖尿病、変形性関節症、骨折、うつ症状などがあることがわかった。糖質過剰症候群のオンパレードである。
  • 瘦せているから、糖尿病ではないからといって、安心はできない。進化の過程で、今ほど糖質を摂取している時代はない。身の回りには糖質が溢れている。「ヘルシー」と掲げた食品にも、大量の糖質
  • WHOが現在推奨している糖類の摂取量は、1日 25 g。果糖は、フルーツジュースを含めて、果物そのもの以外から摂ることは危険
  • 糖質を摂取したときに表れる脳の変化は、コカインやアルコールなどの薬物を摂取したときの変化とそっくり。合法的に体に取り込むことができるもので、体に大きな害を与える可能性が高いものが二つある。一つはタバコ、もう一つが糖質
  • 医療の細分化が病気の背景を見えなくしている。「病気のデパート」のような人がよくいる。それぞれの病気の治療は、それぞれの専門医が行えば、それなりの効果が得られるが、根本的な原因にたどり着いた治療が行われなければ、デパートのまま病気が続く
  • 理想的な糖質量――自分に適した量の求め方;糖質制限の一応のコンセンサスは、1日当たりの糖質摂取量は130gが上限。スーパー糖質制限食(1日の全ての食事を糖質制限食とする方法)では1日 30 ~ 60 g。
  • 実際には、それぞれで体重も違えば、インスリンの感受性も違う。同じものを食べても、人によって血糖値の上がり方は異なる。食後の血糖値の上限を140 mgと考えて、それを目安に、自分自身に適した糖質摂取量を求める。食後1時間後と2時間後に血糖値を測定してみる。そのどちらも140 mgを超えないときの糖質摂取量を自分で求める。(例;空腹時血糖値を100 mg、食後血糖値上限を140 mg とすると、その差は40 mg。体重 60 ㎏の成人の場合、糖質1gの摂取でおおよそ血糖値は1 mg上昇。そうすると1回に摂取することができる糖質量は 40 gまで。)
  • 砂糖や液体の糖質などは体には毒だと考える
  • 血糖値が急上昇してインスリンが大量分泌される食品を摂るのは有害
  • 全ての病気の原因が糖質過剰摂取だけではない。糖質制限は万病に効くわけではない

著者の提言

  • 砂糖税の導入
  • 子どもへの砂糖、異性化糖を添加した飲食物の販売の規制
  • 病院での砂糖、異性化糖を添加した飲食物の販売の禁止
  • 厚労省の食事摂取基準からの糖質の摂取目標量の撤廃

 

そしてあらためて思い起こすことが私にはあります。

✔私の母は、ご飯をおかずにご飯を食べる、ような食生活でした・・・母にとって食事とは「何はなくともとりあえずご飯」。(ご飯そのものが唯々悪い、と言いたいのではありません。それ以外のものをしっかり食べていなかった、ということ。)

✔MCIから発症に至るまでの過程で、BPSDというよりは寧ろうつ病ではないかと思われる(母の有する そもそもの性格が更に増幅されたかに見えた)症状/行動が母にはみられました。

 

以前も少々ふれましたが、当時自身のダイエットを行うのに、摂取する食品の栄養素だけでなく、まず私が注目したのはGI値でした。それは今でも変わりませんが、一方で摂取する糖質が増えぬよう注意もしています。

その意味では、GI値+スタンダードな糖質制限をしていると言えるかもしれません。

 スーパー糖質制限の実行は、不幸にして糖尿病を患ってしまった方にはMustでも、既に”ダイエット”という過程を終えている者には敢えて挑む必要はないのかな、と思っています。

前出の「~の大百科」「人類最強の~」の著者 江部康二氏の動画がありました↓のでこちらに貼っておきますが・・・

牛乳は乳糖を含むので控えなさい、というのが氏の提言・・・でも、氏言うところの1L~も2Lも飲む人がそんなにいるとは思えません。この辺りが、(糖尿病or予備軍でなければ)もう少し自由度があってもいいのではないかと、ちょっとした違和感を私が感じてしまうところです。

 

それをおいても、これから先私が、母のようにご飯を中心とした食事をとることも、甘いものを抵抗なく食するような生活をおくることも絶対にないでしょう。

だからといって、そうすれば母のように認知症を発症することがなくなるのか・・・はわかりません。

それでもかまいません。

私は賭けたのです。

果たして私がどうなるのか、これは私自身の人生を賭けた実験なのですから。


おはよう!ドクター #101 ~糖質制限の実践~