介護保険事業の本質
いつまで経っても、入居ミスマッチが減らないのは何故か?
一言で言えば、正しい“今現在の“情報がないから。
- 周囲の経験談・体験談を鵜呑み。でも、入居者に一番人気があるHが悪口も一番多かったりする。
- 行政など公の機関の情報は、正しいが古い情報、新鮮味に欠け現実的でない。
- 雑誌・TV・ネットでの情報は、言わずもがな
- セミナーや勉強会では、講師の価値観を無意識に受け入れるのではなく、自らの考え方と照らし合わせ自分なりの考え方を確立すること
- 実は、選択肢の多い人(=多くを求める人)よりも、少ない人の方が結果として上手くいっている
介護保険制度を正しく知る
✔人手不足解消の為、事業者はサービスの質を下げ職員への負荷を減らし退職動機を減らしている
✔激しいクレームを言ってきそうな家族・入居者の入居を意図的に止めている。特養の入居判定会議ではうるさい家族、うるさい入居者は排除される。
✔入居ニーズは多い、職員ニーズを汲み取らないと、入居者受け入れすらままなならない。
✔現在の介護保険制度においては、プラスαのサービスは介護報酬に含まれない。(例;排泄介助の行為は介護報酬に含まれるが、職員の笑顔は義務ではない。)
✔介護保険事業は自由競争。故に、事業者は選ばれる為に付加価値を提供しようと努力する→過剰なサービス合戦となる→介護職員へしわ寄せがいき「この賃金でこき使われていてはやってられない」と離職者が増える、つまり、賃金が安い、というよりは、賃金の割に色々強いられて割りに合わない、という離職が多い。
筆者の予測
人手不足はいずれ解消する。面倒を見られる規模に収斂されていく。介護保険を利用しない介護事業、つまり全額自己負担の介護サービス業界が拡大する。
介護保険報酬が想定外に増加している
一方で、大方針としては、報酬削減
その為には?
- 要介護状態の高齢者を減らす(延命しない、看取りを積極的に行う、健康寿命を延ばす、などの政策。特に寝たきり寿命の短期化・・例えば高齢者に透析は必要なのか?)
- 介護保険制度でカバーできる介護サービス数を減らす
老人Hで好かれる人、嫌われる人
✔老人Hの入居者は、十人十色。介護職員に嫌われる高齢者は、自宅にいても家族から嫌われ、グループにいてもグループから嫌われるような人。
✔管理職の職位にあった男性に多く見受けられる、上から目線の入所者。現役時代の肩書にしがみつく男性は嫌われる。
✔老人Hは自宅と同じ 病院と勘違いしているとトラブルの原因になる時も。
✔過去と上手く折り合いをつけて進化できた人は、老後も上手く生きていける。
✔物わかりの良い入居者が職員に好かれるのは、当然。
介護とは、実は「お金」の話
筆者の主張
資産家は将来の介護について心配無用。介護に関するたいていの問題は、お金で解決できるから。お金・資産がない場合、早めに手を打って事態を回避してほしい。
なぜなら;
・規定の人員体制では、介護フォーメーションは成り立たない
・介護の質はお金で買うことが可能
高齢者介護業界が大きくなればなるほど、公的負担が比例して増える・・・そして支払い確保の原資をどうするかという問題になる。そして・・・
介護保険料支払い対象年齢の引き下げ、
介護保険料値上げ、
収入・資産ある高齢者の負担を3割・4割に変更、
介護保険報酬自体の引き下げ、
等とならざるを得ない・・・?
高齢者介護業界の無条件の成長は国力に依存している、となれば・・・
国力に限りある場合は、若い世代の収入からお金を移動させる、
高齢者介護の国家予算はXX円しかないのでこの予算内で賄う、
等ということになる・・・?
仮に、予算が大きく削減された場合
介護事業者の撤退
となる・・・
筆者の主張
高齢者介護とは、サービスである必要はなく行政が行う処分・措置として必要最低限のセーフティネットであればよい。より良いサービスを求める者は全額自己負担で民間サービスを受ければよい。
実際、介護にいくらかかるのだろうか?
月額20万円の老人Hに入居した場合;
- 医療費 月1万5千円
- 衛生費(オムツなど)月1万5千円
- 介護保険報酬の自己負担分 要介護2・1割負担で2万円、2割負担で4万円
- その他 嗜好品費用、外食、レク、洋服・身の回り
=20万円+最低5〜7万円、余裕をみて10万円
→年間360万円x10年3600万円、半分年金で賄うとして1800万円の余剰金が必要
(月額20万円の老人H、という前提がかなり個人的には引っかかりがありますが・・・)
筆者の挙げるいくつかの選択肢
- 30代から介護費用を準備しておく・・・(だが、その年代から自らの高齢期のことなど想像もできない、目先の仕事・家族・親のことで精一杯?)
- 生活保護
- 民間保険という手段(医療系に比べ圧倒的に少ない介護系民間保険)
(保険、というものの”使い勝手”に疑問を持つ者としては、1がまず考えるべき選択肢かと。「介護」限定とまで絞り込まずとも、将来をにらんでコツコツと早い内から・・・が王道ではないかと。時、年金2千万円問題で世は金額ばかりが目に飛び込んできますが、そんなことに踊らされること無くコツコツと既に始めている方 少なからず、と認識しています。)
医療保険と介護保険の違い
毎月天引きされる医療保険の金額には納得感があるのは、いずれ大病したときに恩恵を受けることをイメージできているから。
けれども介護保険料には・・・イメージがわかない。
(勝手に解釈すれば、いずれ介護を必要とする立場になったときに恩恵受けることをイメージできる「ようになれば」、月々天引きされる介護保険料の大幅増額も考え得る、ということかな?)