そしてもう一つ参考にと急遽調達した書籍がある。
最近出版されたものらしく書店で目につき手に取った。パラパラとめくり目に飛び込んできたセンテンス・・即買いした理由はその一言にある。
「ちょっと待ってね、のせりふが目立っていないか」
ええっーーあれでしょう・・・B施設を見学していたときのあの場面?
カーテンで仕切られたトイレ前に車椅子の高齢女性が3人ほど並び、
「ちょっと、早くしてよ!」
と内一人が女性介護士さんに言葉をぶつけている。介助なしには用が足せない方々が並んでいるのだろうか?
「はいはい、ちょっと待っててね。」
「あぁ、大変!大忙し!」
といつものことなのか慣れたように明るく声をあげる介護士さん。
いつも「ちょっと待っててね」なのかはわからないし、偶々遭遇した場面で耳に入った一言・・・ではありましたが。
そしてもう一つ私の疑問に対する答えがこの本にはあった。多分、中の人?には当たり前すぎて敢えて記さない部分なのだろう・・・
「入居定員29人以下は地域密着型サービスとなる」
この場合、施設がある市町村に住民票を有する人が対象となるらしい。だから;
こちらだと、お住いの地域からこちらへ転居届けを出して頂くことになりますね。
ということなのかもしれない。これは今一度確かめておこうと思った。
この書籍、第一章にまず、介護サービスの選び方 基本10箇条をあげている。
- 個々のサービスより職員同士のやりとりに注目
- 介護場面なら排泄関連をチェック
- 記録開示のオペレーションをスムーズに説明できるか
- 重要事項説明書は、「苦情と事故の対応」に着目
- スタッフ教育の情報がきちんと公開されているか
- ちょっと待ってね、のせりふが目立っていないか
- 用具・福祉機器の扱い方にサービスの質が現れる
- 事務職が現場の状況をよくわかっているか
- 本人の向き合い方も大切だが、見守り時の立ち位置も
- 管理職が服装や医療処置のことを理解しているか
そして第二、三章で、居宅でのサービス、施設入所でのサービス、において、各サービス・施設ごとにどう選ぶか、そのポイントが示されている。
私の場合であれば、施設入所で、ということなので、第三章を見ることになるが、
特養、地域密着型特養、老健、介護医療院・介護療養病床、介護付き有料老人ホーム、住宅型有料老人ホーム、医療外付け型介護付き有料、グループホーム
それぞれの施設において、事業者選びのポイント(チェックポイント)が12づつ記されている。
第四章は、介護保険給付外でのサービスとして、総合事業訪問型、総合事業通所型、配食、認知症カフェ・認とも、移送サービス・福祉タクシー、訪問系民間サービス
についてのものとなっている。
第五章は付録的意味合い大きいように見えるが、介護サービス早見表。
偶然この本に出会い、ぱらぱらっとめくったところで目にしたあの言葉は、いずれも第三章に記されていたものだ。
気になる方は是非、店頭でパラパラっと・・・。
そしてもう一つ、入手してみた冊子がある。ググっていて偶々見つけ仕入れてみた。とある事業者によるものなので、この冊子を購入することでセールスなど受けたら嫌だなと迷ったが、これまでのところそのようなコンタクトは一度も無い。
無料でもらう術もあるが、無料なのには訳があること納得の上なら、それもまた選択肢の一つなのかもしれない。
別冊「老人ホーム見学ハンドブック」
60ページにも満たない冊子ですが、イラスト主体のさらっと見れる内容。目次のみ抜き出しておきます。
1)ホーム見学の基本
介護付、住宅型、サービス付きの違いを知る
老人ホームに入居するまでのステップ
2)老人ホームを探す
「資料請求・見学すべき老人ホーム」ナビ
3)ホーム見学前の準備
予約、準備、心得、行動、重要事項説明書の着眼点
4)ホームの実力がわかる!見学ポイント
老人ホームを見学するには、コツがあります
「認知症ケア」編
「医療ケア」編
「リハビリ」編
「食事ケア」編
「レクリエーション(+住環境)」編
「看取り・夜間ケア」編
5)見学時活用パーフェクトツール
見学チェックリスト&試算表
見学ホームヒアリングシート
首都圏路線図
入居が決まったら必要な持ち物を準備しよう
最後に、自らの目先の問題として対象としていたいくつかの施設形態についてその違い・特徴をまとめておきます。
有料老人ホーム;
高齢者を入居させた上、次のうちいずれかのサービスが一つでも提供されている「住まい」。
・入浴、排泄、食事、の介護
・食事の提供
・洗濯、掃除等の家事
・健康管理
- その中で、「介護保険で提供される介護サービス」がセットになっているものが、介護付き有料老人ホーム(=介護保険法上は、特定施設入居者生活介護)。
- 入居定員29人以下は地域密着型サービスとなる(特養の場合と同じ)
- 介護保険上の指定を受けるので、法令上の基準を遵守することが義務づけられている→ホーム内にケアマネ設置し個人に提供するサービスのプランを作成する。とはいえ、集団に対するケアという意識になりがち。組織に集団的ケアの意識がしみついていると改善は望み難い。運営管理委員会のような組織があるか、そこでケアマネの発言力・権限がどこまで強いのか。
住宅型有料老人ホーム;
- 介護保険上は一般の家と同じ扱い。介護保健サービスはセットされておらず、使いたい場合は外部ケアマネや提供業者と契約する。
- 特に注意したいこと=囲い込み。介護が必要になった入居者はホーム側に相談することが多い→うちでも介護保健サービスを運営しケアプラン作成する事業所=居宅介護支援事業所もあるので提供しましょう、ともちかける。法人としてはサイドビジネスになる。利用者には選ぶ権利があるので必ずしも従う必要ないが、お世話になっている負い目もあり断れない。悪質ホームになると使う気もないのに申請した方がいいと押し売りに近い申し出をするケースも。いずれも行政指導の対象→管轄都道府県の高齢者福祉課などに相談。
- 逆にホーム側が「勝手にどうぞお使いください」という態度も問題。外部介護スタッフとの協力関係ができているか。
特別養護老人ホーム(特養);
- 原則要介護3以上(要介護1、2でも日常生活に支障来す症状あるケースなどは特例的に入所)。多床室もあるが、現在は個室で何人かの入所者が共同生活エリア形成するユニットケアが中心。
- どんなに重篤でも「その人の可能性」に目を向け続けることができるか、特養の評価はこの1点。現場ぐるみで「その人の話を聞く」体制があるか否か。それができている特養は多くはない。
- 認知症の人が「同じ訴えを何度も繰り返す」シーンにに都度向き合っているか?それがたとえ思い出話でもそこには人生のビジョンが含まれている。それ自体が「その人らしく生きる」ための可能性。その可能性にたどり着けなければ、それを同僚・上司に報告し共有する仕組みができているか。
地域密着型特養;
- 特養で29名以下の施設を地域密着型特養。一般の特養は都道府県によって指定を受けるが、こちらは市区町村による指定。そのためその市区町村に住む人だけが入居できる。
- 地域住民との交流シーンが至る所で見られるかどうか。わかりやすいのは、地域住民がボランティアとしてかかわっていること。施設に地域交流スペースや喫茶店など併設されていれば、そこが地域のサロンのような雰囲気を作り出しているかどうか。地域商店街に利用者と職員が一緒に出向いて買い物などしているシーンがあるか。その際店員が気軽に声をかけたりしているか。