それ 認知症かも

認知力の衰えを頑なに否定する年老いた母。それを反面教師に自らのこれからを考える息子。

あれも、これも、一気に(第二弾)

 

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~現実的・下世話な話になりますが、認知症で銀行口座が凍結されると手続きが大変と聞いています。今のうちに対応しておかないと・・・どうなんでしょうか? 施設にもそれなりの費用がずっとかかるでしょうし、家族信託にして施設費用にあてられるようにしておけるのが一番良さそうですが、母を納得させる術が浮かびませんし、成年後見制度や家族信託のメリットデメリットも把握理解できてません・・・。~二階のミシミシは父が亡くなり二階に泊まった夜、向かい方面から聞いているのである意味 いる のかもしれません・・・。

翌日↑この部分について返事をメールした。

 

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”現実的な下世話な話”の方ですが、それに即答するに足る知識を持ち合わせていません。もう少し余裕でもあれば色々調べて何かしらすぐ返事を返せると思うのですが、麻酔医との面談控え、事態がどう動くか、果たして今宵も看護師からヘルプ求める電話が又あるのか、で容量的に一杯です。

悪いケースを想定しておく性格なので、そこは割り引いて解釈してもらってかまいませんが、大腿骨骨折→車椅子or寝たきり生活→生きる気力低下→死亡、という容態をたどる方が少なくありません。今回の母が大腿骨でなくてよかった、とは消して言えない、と医師も説明していた如く。

麻酔医の許可が下り手術となったとして、T病院の時と同じく、手術は嫌だとだだをこねるのか? それでもなんとか手術を受け痛い痛いと叫ぶまでは前回経験済みですが、2年前と現在では精神面で更に衰えていると思われ、痛い痛いだけで済むのか? 術後せん妄という話も聞きますので、さらなる場面があるのか? いずれにせよ、手術、というのは大きな山です。

その一連の山を超えられたとして、状態・痛みが沈静化するのなら、そこでまたそれ以後のことについて調べるなり、相談するなりしていきたいと思っています。

割り引いて解釈してもらってかまいませんが、手術という山を越えても次々と別の山が現れることになるかもしれません。何が起きても、という覚悟はしておいた方がよいかもしれません。何度も繰り返しますが、割り引いて解釈してもらってかまいませんが、一つの研究論文にすぎないとはいえ、<大腿骨頸部骨折後の 初期死亡率は高い。女性では、骨折直後3ヵ月間の死亡リスクが全死因死亡リスクの5倍、男性では、同期間の死亡リスクは8倍。>という研究もあります。

母より高齢で手術を受ける人は沢山います。その後のリハビリを経て中には自宅へ戻れる程肉体的に回復する人もいます。でもそれは、「生きることへの思いの強さ、精神力」に左右されると私は思っています。生きたい、何が何でも生きてやる、という強い思いが母の中にあるのか、それともこれまでと何も変わらないのか、それは母の選択でもあるし、人が言うところの天命に属する部分なのかもしれません。

今度帰省の際は、駅前の宿に宿泊する予定です。
前回実家に泊まり、居間で一晩過ごしましたが、エアコン、ストーブ、コタツを断続的に使うも、殆ど寝られず身体の節々が痛くなりました。これは冬の実家泊はひかえた方が良さそうだと思った次第。「ある意味 いる 」と思ったからではありません、念のため。

 

 

<2度目の見舞い>

 手術に関わる麻酔医との打ち合わせのため、2度目の見舞い。母は4人部屋に移動していた。部屋に入り奥に進もうとすると左後ろから呼び止められた。入ってすぐ左側のベッドに母がいた。横たわったまま軽いリハビリの最中で、施術する方にさえぎられそこにいると気づかなかった。

毎日午前・午後20分程、患部以外の部分について軽いリハビリを行なっているという。母の表情は柔らかい。前回の様な疲れた表情ではない。機嫌は良さそうだ。

実家から持参した赤い大判ノート、メガネ、誕生祝いの花籠を撮った写真、部分入れ歯を手渡した。Eさんへ令状を書きたいと言われた時のためハガキも用意したが、書かないと言う。

しばらくすると麻酔医が会いに来て、その場で手術に関わるリスク事項について説明。内容は通常のルーティーンの範囲内。母には詳細まで聞こえていないと思うが、個人的には変に曲解され手術拒否という事態を心配しているので、かえって都合がいい。

いくつかの書類にサインし、麻酔医との面談、いや、立ち話?はすぐに終了した。
麻酔医との会話中、気管内に人工呼吸器を挿入するので、まれに、歯、喉などに傷が付くことがある、という部分が母に聞こえてしまった様で、麻酔医が病室から出た後、「なに?なんなの?」と私に尋ねる母。それを見た反対側のベッドで仕従事していた看護師が、「気管に人工呼吸器を〜」と単刀直入に応えてしまう。瞬間、まずい!と思ったが、案の定、「怖いんだけど」と口にしはじめる母。そういう不安が母の頭の中に充満しそうになるのを回避すべく、話を逸らすのに少々努力。

<認知症の人は一つのことが頭に浮かぶと、そのことにとらわれ他のことが考えられない、自分勝手に行動する>ので留意しておかなければならないが、その看護師は母が認知症だとは知らされていなかったのか?

折れてしまったものは仕方がない、折ったばかりの今は安静が肝心。勝手に動いて骨がずれてしまったら一大事。全てを病院に任せるしかないのだから、素直に言われること聞き入れ、逆らわないこと。こうなった以上、まな板の上の鯉なのだから、きちんと料理してもらう様大人しくしていること、と繰り返し母に伝えた。

しばらくして、看護師に呼ばれ私のみ別室へ行き、担当執刀医、看護師と面談
ここでも、手術内容、及びそれに関わるリスク説明があり、書類にサイン。

 

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手術で骨をつなげたとしても、無理をすればまた折れる、折れやすい、ということもあります。中に金属が入っている状態で又骨を折るなどということになれば、新たな問題にもなってしまいます。リハビリがうまくいっても、全く元の様に気にすることなく右足が使えるわけでもありません。左足含め新たな骨折の恐れも高まります。これまで同様独り暮らしで自立というのは難しいと思いますが、どう考えられていますか?

(類似の質問は既に前回も別の医師、及び看護師から受けているので、その時と同じように返答した。)


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そうですか。私もその様な方向でよろしいのだと思います。

 

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母には手術についてはもう知らせてあるのでですね?

 

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はい、回診の際に説明してあります。


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もしかすると忘れているかもしれません。じつは先ほど、麻酔医の先生とお話しの最中、言葉尻を拾った母が、痛いの?心配だ?と言い始めまして。母は悪い方に誤解し一度その思いにとらわれると困ったことになるので、そのあたり考慮してもらえると助かります。
それに、先日も家に帰ると看護師さんを困らせ私が電話口で説得する、ということもあり、ご迷惑をおかけし申し訳ありません。

 

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大丈夫ですよ。ちょっとした漢方など合わせて処方し飲ませてありますが。


(あれ以後、病院から私宛電話がかかることなく、病院側の何らかの処方が有効だった可能性もある。ふと、抑肝散かな?という思いが浮かんだが根拠はない。病院側の処方した何らかの薬剤で、母のあの厄介な夕暮れ症候群が沈静化しているのだとすれば、あくまでも仮定だが、事程左様に認知症診療を受けずに過ごし続けたことの弊害はあまりにも大きい。最初の骨折でお世話になったT病院退院後すぐのあの物忘れ外来へ行く行かない騒動。あれが最終分岐点だったと今でも思っているが、認知症発症後とくに最近のBPSDについて、何らかの薬剤処方する事で緩和できた可能性は大きい。)


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前回T病院での手術後、「痛い、痛い」とかなり取り乱しまして、あれからもう2年経過し母の認知能力もより衰えているはずで、また術後に騒ぐのでは、もしかすると、よく言われる、術後せん妄状態になるのではと心配しております。

 

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そのあたりはわかりますので、適時対応したいと思います。

 

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✖️日の手術は午後から行いますので、12時ごろには来院するようにして下さい。手術が終わるまでは病室でお待ちいただきます。術後は集中治療室に入りその日はそこで見守らせていただきます。経過に問題なければ一般病棟にもどりますので、面会は自由になりますが、術後当日の面会は5分以内とさせて頂きます。

 

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S病院では、患部の治療・処置・手術等が終えた後、2週間ほどで転院先を決めていただく様にお願いしています。お母様はリハビリ目的ということになるので、その施設がある病院の中から希望を伺い、一方で先方に新たな患者を受け入れる物理的余裕、ベッドの空きがあるかを含め当病院から問い合わせ、転院先を決めていくことになります。

 

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受け入れ先病院には、大きく分けて、包括ケア病棟と回復期リハビリ病棟があります。
回復期リハビリ病棟では毎日、1日の生活が全てリハビリを主体としたものになります。一方、包括ケア病棟では一日中ということではなく、毎日時間を決めて例えば午前・午後、それぞれ40分~程度のリハビリを行うことになります。
ただ、当人にリハビリ拒否、というようなものがあると、回復期リハビリ病棟では受け入れがたい、受け入れを断られる、といった可能性も出てまいります。入院してからここまでのお母様の様子を拝見しますと、リハビリを受け入れない・拒否する、ということもありました。そのあたりがどう加味されて判断されるか、はわかりません。
こちらに、回復期リハビリ病棟、包括ケア病棟それぞれの受け入れ先の候補リストがあります。すみませんが、コピーは渡すことができませんので、この場でいくつかメモをとって頂き、手術当日には、第1〜第3希望まで決めたものを 私にご提示いただきたいと思います。

 

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そう言われましても、病院名だけ見ても、いったいどこがどうなのか全くわからないのですが・・・皆さんどうされているのでしょう?


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皆さん、結局はその病院の所在地で選んでいる様です。

 

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母は認知症の問題があるので、そちらのケアの厚いところが良さそうに思いますし、先々のことを含めて考えれば施設などが併設されていると助かるのかもしれません。

 

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そうですね、近隣で、そういった条件に合いそうなところですと
包括ケア病棟では、A、B、C・・・
回復期リハビリ病棟では、P、Q、R・・・
などでしょうか。
以前骨折で入院されたT病院もリストにありますが、認知症対応ということになると難しいと思います。また、この中には、老健等が併設されている病院もあります。ただ、併設されているから優先して入れるとは必ずしも言えません。このS病院も、老健が併設されていますが、別組織なので、S病院の患者だから優先してということは無いです。そこは、個々の病院で異なると思いますので、それぞれの病院にお確かめいただきたいと思います。

 
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地域包括支援センターでもそれぞれの病院の様子とか、色々聞けば教えてくれるのでしょうか?


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いいえ、包括支援センターではそういった病院のことについてはあまり詳しくないかと・・・。老健、特老といった施設については専門だと思いますが。

 

 

最初の骨折の際も、救急車で搬送された救急病院で処置後2週間程度で転院先を決めるよう指示があった。あの時は、搬送された救急病院からの転院先について思いのほかすんなりと決まった。結局、至近のT病院になったわけだが、確かにあの時は近場の病院で条件に見合うところ、の中から選んだ。そう、所在地で選んだ、ということになる。

だが、今回は状況がかなり違う。認知症のケアの手厚い病院、という条件が加わるのだ。当然認知症関連の診療科が設置されているところ、更に可能なら検査設備が整ったところ、になる。が、条件が加われば加わる程、選択肢は狭まってしまう。

包括さんはもとより、看護師さんからも、「ここだけの話」とか「口コミ」的な情報は得られそうにもない。結局、皆さん共に、看護師さんの言う「結局はその病院の所在地で選ぶ」ことになってしまうのだろう。

 

新たに現れた山の姿がおぼろげながらも見え始め、これは参ったな、と思いつつも、母の病室に戻り、それではまた来るので看護師さんの言うことをよく聞いてね、と念押しし、ナースステーションに行き、色々お騒がせしてすみません、今日はこれで帰ります、と挨拶済ませ、S病院の門を出た。


すぐ、包括さんに電話を入れる。


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手術は✖️日午後になりました。病院側から術後2週間での転院を考えて欲しい、手術日までに転院先の第1〜第3希望を決めておく様に言われました。


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そうなんですか・・・


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回復期リハビリ病棟、包括ケア病棟それぞれの病院リストを見せられ、その中から選ぶようにと。包括ケア病棟では、A、B、C・・・回復期リハビリ病棟では、P、Q、R・・・。

 

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R病院はいいと思いますよ。認知症の診療もしてもらえるし、老健も併設されています。実は私も近々、S病院までお母様の様子を見に行こうかと考えていました。お母様、今自分がどこにいるかわかっていますか?


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それがわからず、というか、脳活の集いのある施設と思い込み、帰るといって騒ぎ、S病院から知らせを受けまして、電話で話し落ち着かせました。今は、興奮状態には無いので、繰り返せば、ああそうだった、ここはS病院だ、とわかっているようです。
私はこれより帰りますが、自宅でまた検討して、わからないことあればご連絡しますので、よろしくお願いします。


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わかりました。

 

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画像出処;ささえーる


回復期リハビリテーション病棟協会のサイトを見ると、各都道府県の該当病院が見られる。看護師の持っていたリストもほぼ類似の内容だったと思う。

一方、地域包括ケア病棟協会のサイトにあるものと、看護師のものとは隔たりがある息がする。

原則、回復期リハビリ病棟は最長180日、包括ケア病棟では60日間の入院が認められているらしい。

救急病院→リハビリ施設のある一般病院→老健?→施設

という絵図はかけても、実際どうなるか、どこが受け入れてくれるのか、はわからない。はるか向こうに「介護難民」などという文字が浮かんで見える。

kazoku-kyukyu.jp

最寄り駅までのバスが来るまでまだ時間がある。冷たい風がえりの隙間から入ってくる。

今後取り巻く状況がどうなるのか知る由もないが、あらゆる現場で人不足、施設不足という現状下で、国の”その方向での”拡充に諦め感漂う中、その思惑通りに、介護は自宅で、自立できるなら終のすみかはサ高住で、などと判で押したようにいくわけないだろう、と改めて感じながら肩を窄めどんよりとした冬の空を眺めた。