それ 認知症かも

認知力の衰えを頑なに否定する年老いた母。それを反面教師に自らのこれからを考える息子。

骨折病棟ふたたび (後編)

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東京都老人医療センターを12年間に退院した大腿骨頚部骨折患者のうち, 調査できた867例を対象に大腿骨頚部骨折患者の予後を調べた。退院時平均年齢は78.82歳, 平均観察期間は4.12年である。
1. 大腿骨頚部骨折退院患者の12年間の致命率は男性51.9%, 女性42.1%であった。
2. 観察期間中における大腿骨頚部骨折群の一定期間内致命率は, 1年以内が最も高 く, 次に2年以内が高率を示した. それ以後の生存率はゆるやかに低下した。一方, 施設利用健常者の生存率は各観察年で直線的に下降した。
3. 5年生存率は骨折群は65%, 健常群は69%であった.
4. 生存群における骨折後の身体的活動性は同年代の東京都一般老人に比べ, 著しい低下が認められた(p<0.001)。
5. 退院時と調査時の居住場所の変化は少なく, ずっと自宅に住んでいる者78.4%, 自宅から施設へ移転した者12.3%であった。
以上の結果から骨折の予防はもとより, 骨折患者とその介護者に対する適切な指導が必要であると考えられた。

-出処;大腿骨頚部骨折患者の追跡調査 日本老年医学会雑誌25巻6号(pdf)-

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以下出処(pdf

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担当医が質問を重ねる。

 

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それでですね、もしもの時に、ついてですが・・・。

あくまでも可能性としてですが、施術・治療の過程で容態が急変、重篤な症状になる可能性もあります。そのようなとき、延命処置をどうするかについてあらかじめ伺っておきたいのですが。

もう一つ、繰り返しになりますが、骨折前のような自立生活には戻れない可能性が高いと思われますが・・・病院での治療からリハビリへという過程で、転院される方、施設へ入る方、自宅へ戻られる方、様々おられます。

仮に手術が可能な状態であっても、当病院での手術予定が既に大変混み合っており今すぐに手配したとしても早くて今月中旬以降のオペとなりそうな状況です。もし、将来、退院後、離れたところにお住まいのご親族の近くへ、というご希望があるのなら、寧ろ、その当該区域の病院での手術をお勧めする形もとることが出来ますが、どのようにお考えですか?

 

私は過去に遡り、そこからこれまでの経過を手短に説明した。

f:id:masakahontoni:20190208172449p:plain難病で死亡した父、その際担当医師を前に「どうするか」について話をしたこと、等に始まり、母の物忘れの「程度」におやっと思い始め、その後起きた最初の骨折、そして入院、入院中進行したと思われる症状、退院後の物忘れ外来受診拒否、昨年夏以降の包括支援センター共々行ってきた対応、なかなか首を縦に振らなかったデイサービス、そして年が明け、ひどくなってきた妄想・・・。

その時々で母と交わした(当人にとっては人ごとだったのだろうが)、親子の会話の中で、世に言われるあちらこちらチューブにつながれたような延命措置には当人も否定的であったこと、を。

 

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私は特段の宗教的しがらみがある者ではありませんが、その人が天から与えられた命を是非全うしてほしい、生き抜いたという人生であってほしいとは思っております。一方で、その与えられた範囲を超えての、いわば、先延ばし、のようなことについては、周りの者の感情でそれを左右してしまうことはとてもできない、と考えております。あちらこちらに穴を開け管をつなぎ、当人の意思の及ばぬところでの処置を続ける、ことには疑問を持っております。

 

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先延ばし・・・。おっしゃるところはよくわかりました。

 

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昨年中盤以降、母の状態を見守る中、親族間で今後の話しもして、「火の不始末、もの盗られ騒ぎ、徘徊など、ことが起きてから慌ててどうするか動くのではなく、あらかじめこんなことが起きたらこうしようと包括支援センターとの間で打ち合わせておくべきだ」という意見もあり、それを念頭に過ごしてきましたが、では、具体的に何が起きたら、というところで迷いがありました。

ただ年が明けてからのさらなる認知症の進行と思われる症状が頻発し、そこへ今回このような形でまた骨折をし、しかるべき期間入院となると、また至れり尽くせりの3食昼寝付き生活で、この先起こるかもしれぬ、それもかなり高い可能性で起こるであろう、そのことを考えれば、これはもう、この骨折を契機として、先々施設への入所を念頭にするべきなのかな、という思いが強いです。

 

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わかりました。最終的には施設への入所を念頭に置かれているということですね。 それでは、看護師共々、必要とあれば時々に包括支援センターの方とも連絡を取りながら進めさせて頂きます。

麻酔医の検診・判断が今週X曜朝に予定されているのですが、朝一番でまたこちらまでご足労頂くことは可能ですか?遠方のところ申し訳ありませんが。

 

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わかりました、X曜日朝伺わせて頂きます。母もわがままな性格ですので、ご迷惑をおかけすることもあるかもしれませんが、よろしくお願いします。

 

面談終え、病室に帰る。そして、またくるからね、と母に声をかけ、S病院を出た。

病院前の停留所でバスを待つ間、包括支援センター に電話を入れる。

 

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もしもし?お騒がせして申し訳ありません。真坂です。

 

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あっ、真坂さんですか。メールを拝見し驚きました。

 

 

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はい、今S病院で手続きや担当医との面談を終えたところです。包括さんは、今日は事務所におられますか?できればこの後お伺いして状況のご報告をしたいのですが。

 

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はい、今日はおりますので、お待ちしております。

 

 -「どうする? どうなる?」-へつづく