それ 認知症かも

認知力の衰えを頑なに否定する年老いた母。それを反面教師に自らのこれからを考える息子。

風雲

 

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f:id:masakahontoni:20190203190234j:plain向こうの空に風雲が立ち込めているのが目に映る。その怪しい雲行きが果たしてどうなるのか、こちらの方へ動いてきて私をすっぽりと包み込むことになるのか。

その時どんな状況になるのか、どんな風が吹き、どのような雨が降り・・・。

そんな想いの方が私の心の中では大きくなっている、今現在の雲行きよりも。

 

妹からのメール着信を朝確認した。


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2月1日。本日も19時過ぎからずっと携帯に一定間隔で電話が来ており22時過ぎに仕方なく取りました。非常に焦った口調で
・お母さんだけど 本当似がいなくなったんです。そっちに行ってるでしょ!
・先日も同様の内容で電話くれて 本人からそちらにXXにいる旨話したと 聞いていますよ。XXにいるんじゃないですか 母さん夜なので勘違いしてるんでしょう
・私の勘違いとか思うのは勝手だが 真実だ。その証拠に警察では今ちゃんと捜索中だ
・だからXXにいるんでしょう
・そうなの?そうなんだよかった。
・何故本人に聞かず私に聞くの?日曜日になれば本当似の声は聞けるでしょ。日記やメモを書いてくれないから忘れるんですよ ちゃんと書きましょう
・私が悪いことにすればいい。警察は動いてくれてる 警察にも連絡して説明してある云々
・だからXXにいるでしょう 探すも何も。大体私自身の事ではない事項で気軽に頼らないでいただけますかこんな夜中に。お母さんがこの時間までこんな電話しまくられたら怒るでしょ?
・ごめんなさい
電話には出ない方針で考えていたのですがこの連続は 生活が妨害されて いらついて 出てしまいました。申し訳ないですがしばらく音信不通にするかもしれません。


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2月2日。メールの方は今朝ほど見ました。昨年の私の場合とかなりの部分似ているように思います。
私の場合;
連日・連夜の電話攻勢に悩まされる(とりとめのない話、もしくは妄想の類、を繰り返しおなじことで電話をかけてくる)

寝込んだタイミングで叩き起こされ、そのような暗い話を毎度のように囁かれると、結局寝付けない、もしくは以後熟睡できない、ことになり、回避策として転送電話を導入。 母からの電話は全て自動転送、留守電に着信・録音あればメールで知らせがくる、必要あればあとで掛け直す、といった処置講じる。

それでも留守電ありの知らせが入ると、内容を聞くことになり、(性格的に)いらいらがつのり、ストーカーかと怒鳴りつけたい気分にもなり、以後寝付けなくなる。夜中に部屋で一人怒鳴りつける電話をかける気にもならないので、留守電無視してすぐには返事しないようにした。

母の方が、一連のシステムに慣れてしまったのか、留守電に入れれば、すぐに返事が来るかのように思い込み、「聞いているんでしょう」などという留守電を続けざまに入れるに至り、意を決する。

「申し訳ないが、もう夕刻は電話の着信を拒否することにした。かけてもかからないので話したいことは毎週日曜日の昼過ぎに電話をこちらからかけるので、その際話してほしい。寝付いたところへ夜な夜な電話され、十分な睡眠も取れない。精神的にも大変疲れ切ってしまい、うつ病にもなりかねない状態だ。精神科の受診も必要なところまで追い込まれているので、申し訳ないがそういうことにさせてもらいたい」と伝えました。
ここは以前お伝えしたかと思いますが、「そうなのぉ、なんでそんな神経質な子に育ったかねぇ」と至って簡単に同意していました。

そして、昨年師走あたりからの電話攻勢が、あなたに対して始まっている、そのような状況かと思います。異なっている点は、父さんが云々、本当似がそちらへ行ってないか、警察が云々、といった話題が入ってきたところでしょうか。

私の場合のなにがしかの部分が参考になれば、とは思いますが、確信があるわけではなく、一つの経験にすぎないのかもしれません。ただ、一つ一つの母からの電話攻勢に気力だけで対応するとそれこそ病んでしまいかねない為、かわす(逃れる)処置を至急取るべきだと思います。

無視する、というのも処置の一つかもしれませんが、私のような者(母言う所の神経質な子)には、着信音はもちろん、メール着信があるだけで、血の気が引きぞっとするような状況になっていましたので、一旦それにより負の感情が心に湧き上がってしまうと1日24時間ではそこから回復さえおぼつかない有様でしたので、『無視する』以前の段階で、そもそも認識しないで済む状態まで持っていくための「着信は拒否。そのかわり毎週 曜日・時間をきめて私の方から電話をかける」という形に至りました。

毎週日曜日、昼過ぎ、に電話をかけ、40分ほど話をしています。なるべく カラ元気を出し、威勢良く、冗談交え、努めて明るく声をあげながら、それとなく前回話した事を覚えているか探り、あやふやなように感じればそれを繰り返し、一言で言えば、元気づける、という事でしょうか。

最近繰り返すようにしているのは、引きこもりのままでは 体も頭も鈍って当たり前の状況下なので、B通りのデイサービスを勧められているなら、至急お試しでもいいから行った方がいい、ということ。

この辺のことについては、私と地域支援包括センター担当者とのやりとりからも類推できると思いますが、歯医者が、とか、寒いから、とか、おきまりの言い訳が出てくるので、一つ一つ誤解?(実は不安?)を解くように毎度毎度似たような事を話しています。

f:id:masakahontoni:20190203200137j:plain警察云々のことは正直気に留めていません。警察と言えば状況がうまいこと思い通り?の方向に展開するのではという母なりの計算なのか、それとも実際に電話したのか、気にしなくてもいいと思います。時が来ればわかることでしょうし、なるようになるでしょう。それに反応すると、「やはりこれはいいアイディアだ」と母が間違った認識を持つようになっては困ります。

それでも、実際に、警察を巻き込んで大騒ぎをするようなら、それはそれで、つまり、近親者だけでなく、無関係の方々も巻き込む、ような段階にある、ということで、地域包括支援センター含め、施設もしくは病院の可能性含め、検討することになるのかもしれません。

こういう機会にあわせて、方向性の違うこの話を書いておくべきなのかわかりませんが、

現実は現実としてしかたありません。しかし一方で、私含め、あなたも、そしてあなたの大切と思う人含め、このような、あるいはこれまでの母の現状に至るまでの生活・経過を見て、そうならぬようにその時々に手を打つことを怠りなく実行しておいてほしいと思います。

年末、あの駅構内の喫茶店で「年齢を考えれば母にはもうやり直しようがない、取る手立てがない、かもしれないが、あなたにはまだまだやりよう、取る手立てがある」と伝えた通り、私は本気でそう思っています。

母の年齢になるまで30年あります。認知症発症の素地は(実際に発症するかしないかは別として)既に50代から徐々に蓄積されていく、というのが今時の所見です。

認知症に限らず、人は多かれ少なかれ健康上の悩みがあるのかもしれませんが、それが完治難しいものだったとしても、その影響を軽減する方法は必ずあるはずで、その手立ては早ければ早い方がいい、逆に言えば、遅ければ遅いだけ、選択肢が少なくなる。

どうせ治らない・無理だと何もしなければ、–そんなの可能性にすぎないと一笑に付す人もいるのでしょうが– 母のようなことになるとも限らない。それは認知症に限ったことではない、そう思っています。