このお彼岸に帰省して感じたのは、どうもこの1ヶ月ほどで、母の短期記憶の欠落がより顕著になったのでは、ということ。
「もしかしたら、物忘れを悩んでいるのかもしれないけど、悩む必要はないよ。むしろ、むやみに悩むこと自体が脳活にはよくないと思うよ。忘れたものはしょうがない、よし、これからはメモをとるぞ、とか、忘れてもそれを見ればいいように書き留めておくとか、これからのことを考えた方が前向きでいいんじゃないかな?」
「そうだね」
こんな会話をことある度、繰り返してきた。それでも、なぜか、母は「書き留めておく」ということをほとんどしない。こればかりは何故なのか見当もつかない。
以前ホワイトボードを購入し、冷蔵庫脇に貼り、そこにこれはということを書き置いてきた。どうも、その効果が薄れてきたような・・・多分、いつもそこにあることが日常になり、いつしか、それが目につかなくなってしまった、気がする。
それに白い冷蔵庫の側面に、白いホワイトボードでは、やはり目立たない、母の目を引かないのだろう。
そんなメモをとらない母の為に、今度は
「あなたがメモしないなら、私がしようじゃないか」作戦、
を遂行してみた。
途中100均で大きめの付箋(目立つように黄色)と相性のいい?青色のペンを購入。
何か伝えたいことあれば、私がそれにメモし、母がいつも腰を落ち着けているこたつ台のテーブル上にペタッと貼っておく。
何枚も同時にペタペタ貼ると、多分、読む気が失せると思うので、1日1枚1ペタの法則に従い試してみた。
これが(珍しさも相まってか)まあまあの効果を発揮。続ける意味がありそうと、実家滞在中は何かあればペタッ、処理済みとなれば即剥がして廃棄。
ところが、墓参に朝早く出かけるのでなにも準備しないで、とメモした付箋を貼っておいた翌朝、起きてきた母が、朝食の準備を始める。
アレレレ、これは。
あ~なるほど
朝、寝室から起きてきた母は、居間にある常駐場所のこたつ台に座ることなく、直接台所に入った、というわけ。
仕方がない、そんなこともある。完璧を目指しても仕方がありません。
それでも、いつも目のつくところ、それも目の前に、書いたものを目立つように置いておく、というのは結構使えると思います。
最後に、こたつ台で、一言。高齢者の骨折対策についてです。和風の家屋ならかなりの場合、今では洋風の間取りでもこたつを置いている、いや季節になると置く、という家庭は多いと思います。
たいていの場合、こたつはその部屋の中心に設置されている場合が多いのかもしれません。でも、これとても危険です。部屋の中心にこたつがあるということは、常にこたつ周りに動線があり、高齢者がこたつの周りを動くことになります。
こたつの敷き布団と畳、あるいはカーペット類と畳の間/隙間に引っかかって、もしくは電気ごたつなら電気コードに足を取られて、転倒→骨折が多いとよく聞きます。
洋間だったら、カウチで本や新聞を読んでちょっとした時、それらをどこに置きますか?テーブルの上か、カウチの上でしょう? こたつだったらどうでしょう、なにげに座っている横に置いたりしませんか? その上にうっかりのせた足が滑って、というのも結構あるパターンらしい。
一人暮らしの高齢者なら、即刻こたつを部屋の隅へ移動するべきだと思います。とにかく人の歩く動線の周辺にこたつがある、というのは危険です。
真坂の実家では、骨折入院中、居間の中心にあった家族用の大きな掘りごたつを片付け、お一人様用の小さなこたつを購入して部屋角に移動しました。
兎にも角にも、骨折は悪夢です、絶対避けなければなりません。骨折がトリガーになって云々、という話が日本国中そこかしこにあるのですから・・・。
これから寒くなると、靴下も厚くなり、手足の動きも鈍くなる、畳の上で滑って骨折するお年寄りが増える季節です。くれぐれもご用心を。